常勝街道に回帰!目標値は6カ月連続で上昇 (3) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

市況
2024年6月19日 11時41分

●米国経済

○4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.0となり、速報値の49.9をわずかに上回りました。

○4月のISM製造業景気指数は49.2となり、3月の50.3を下回りました。

○4月のサービス業PMIは51.3となりました。市場予想は前月比横ばいの50.9でした。

○4月のISM非製造業景気指数は49.2となり、3月の51.2から低下しました。市場予想は52.0でした。

○5月のPMI速報値は、製造業が市場予想では4月の50.0から50.1に上昇が見込まれていましたが、それを上回る50.9となりました。また、サービス業も市場予想では4月の51.3(速報値の50.9から上方修正)から51.4に小幅な上昇が見込まれていましたが、54.8となりました。

○2024年第1四半期のGDP成長率改定値は前期比年率1.3%となり、速報値の同1.6%から下方修正され、市場予想の同1.5%を下回りました(確報値は6月に発表されます)。個人消費支出(PCE)は前期比年率2.0%増(市場予想は同2.2%増)となり、速報値の同2.5%増から下方修正されました。2024年第1四半期の企業利益は前年同期比10.9%増となり、速報値の同8.6%増から上昇修正されました。

○4月の個人所得は市場予想通り前月比0.3%増となりました(3月は同0.5%増)。個人消費は市場予想の前月比0.3%増に対し、同0.2%増となりました(3月の個人消費は当初発表の同0.8%増から同0.7%増に下方修正されました)。

⇒4月のPCE価格指数は前月比0.3%上昇となりました(市場予想通り、3月は同0.3%上昇)。前年同月比では2.7%上昇でした(3月も2.7%上昇)。4月のコアPCE価格指数は前月比0.2%上昇(3月は同0.3%上昇)、前年同月比では2.8%上昇となりました(3月は2.8%上昇)。

○3月の建設支出は前月比0.2%減となりました。市場予想は同0.3%増でした。2月は当初発表の同0.3%減から横ばいに上方修正されました。前年同月比では9.6%増となり、2月の10.5%増から低下しました。

○2024年第1四半期の労働生産性(速報値)は前期比年率0.3%上昇となり、市場予想の同0.9%上昇を下回りました(2023年第4四半期は同3.2%上昇)。単位労働コストは前期比年率4.7%上昇し、市場予想の同3.3%上昇を上回りました(2023年第4四半期は同0.4%上昇)。

○4月の生産者物価指数(PPI)は、市場予想の前月比0.3%上昇に対して同0.5%上昇となりました。3月は当初発表の前月比0.2%上昇から同0.1%低下に下方修正されました。前年同月比では3月の1.8%上昇(当初発表の2.1%上昇から下方修正)から4月は2.2%上昇に加速しました。

⇒食品とエネルギーを除いたコアPPIは、市場予想の前月比0.2%上昇に対して同0.5%上昇となり、前年同月比では3月と変わらず2.4%上昇でした。

○4月の消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの前月比0.3%上昇、前年同月比では3.4%上昇となり、3月の3.5%上昇から低下しました。

⇒食品とエネルギーを除いたコアCPIも市場予想通りの前月比0.3%上昇となり、前年同月比は3.6%上昇と、3月の3.8%上昇から伸びが鈍化しました。

○4月の鉱工業生産指数は、前月比0.1%上昇の市場予想に対して横ばいとなりました(3月は同0.4%上昇)。設備稼働率は78.4%となり、3月は当初発表の78.4%から78.5%に上方修正されました。

○3月の製造業受注は前月比1.6%増(市場予想通り)となりました。2月は当初発表の同1.4%増から同1.2%増に下方修正されました。

○4月の耐久財受注は市場予想の前月比0.5%減に対し、同0.7%増となりました。3月は当初発表の同2.6%増から同0.8%増に下方修正されました。

○4月の小売在庫は前月比0.7%増となりました。3月は当初発表の同0.3%増から同0.1%増に下方修正されました。

○3月の卸売在庫は、予想通り前月比0.4%減となりました。2月は同0.5%増でした。

⇒4月の卸売在庫(速報値)は、市場予想の前月比0.1%減に対して同0.2%増となりました。

○3月の企業在庫は、前月比横ばいが予想されていましたが、同0.1%減となりました。2月は当初発表の同0.4%増から同0.3%増に下方修正されました。

○4月の小売売上高は前月比横ばいとなりました。市場予想は同0.4%増でした。3月は当初発表の同0.7%増から同0.6%増に下方修正されました。

○2024年第1四半期のEコマース小売売上高は、前期比2.1%増、前年同期比8.6%増となりました。

○3月の貿易収支の赤字額は604億ドルとなりました。2月の貿易収支の赤字額は、当初発表の689億ドルから605億ドルに下方修正されました。

○4月の輸入物価指数は、市場予想の前月比0.2%上昇を上回り、同0.9%上昇となりました。前年同月比では1.1%上昇となり、3月の0.6%上昇を上回りました。輸出物価指数は、市場予想の前月比0.2%上昇に対し、同0.5%上昇しました。前年同月比では3月が1.6%低下したのに対し、4月は1.0%低下となりました。

○4月の財の貿易収支(速報値)は994億ドルの赤字となりました(3月は951億ドルの赤字)。輸入は前月比3.1%増(3月は同1.7%増)、輸出は同0.5%減(3月は同2.9%減)でした。

○民間調査機関コンファレンスボードが発表した4月の消費者信頼感指数は、市場予想の104.0に対して、97.0となりました。3月の消費者信頼感指数は当初発表の104.7から103.1に下方修正されました。

○5月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は、4月の77.2から低下して67.4となりました。市場予想は77.0でした。1年先のインフレ期待は4月の3.2%から3.5%に上昇しました。市場では前月と変わらずの3.2%が予想されていました。

○4月の景気先行指数は、市場予想が前月比0.3%低下だったのに対し、同0.6%の低下となりました。3月は同0.3%低下でした。

○5月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は、69.1となりました。市場予想は速報値と変わらず67.4でした。1年先のインフレ期待は速報値の3.5%から3.3%に低下しました。市場では3.5%が予想されていました。

○民間調査機関コンファレンスボードが発表した5月の消費者信頼感指数は、市場予想の95.3に対して、102.0となりました。4月の消費者信頼感指数は当初発表の97.0から97.5に上方修正されました。

●雇用関係

○4月のADP全米雇用統計では、民間部門雇用者数が19万2000人増(サービス業が14万5000人増)となり、市場予想の17万5000人増を上回りました。3月は当初発表の18万4000人増(予想は15万人増)から20万8000人増に上方修正されました。

○4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増と市場予想の同24万3000人増をまたもや下回りました。3月は当初発表の同30万3000人増から同31万5000人増に上方修正されました。

⇒4月の失業率は前月比横ばいの3.8%が予想されていましたが、3.9%に上昇しました(2月も3.8%、1月と2023年12月、11月は3.7%、10月は3.9%、9月は3.8%、なお2020年2月は3.5%でしたが、同年5月は13.3%となりました)。

⇒労働参加率は市場予想通り、前月から横ばいの62.7%でした(2月と1月、12月は62.5%、11月は62.8%、10月は62.7%、9月は62.8%)。

⇒4月の週平均労働時間は前月比横ばいの34.4時間と予想されていましたが、それを下回る34.3時間となりました(2月は34.3時間、1月は34.2時間、12月は34.3時間、11月は34.4時間、10月は34.3時間、9月は34.4時間)。

⇒4月の平均時給は前月比0.3%増の市場予想に対し、同0.2%増(前月の34.69ドルから34.75ドルに増加)となりました(2月は同0.2%増、1月は同0.5%増、12月と11月は同0.4%増、10月は同0.2%増、9月は同0.3%増)。

→前年同月比では、市場予想の4.0%増に対して3.9%増となり、3月の4.1%増を下回りました(2月は同4.3%増、1月は同4.4%増、12月は同4.0%増、11月は同4.0%増、10月は同4.0%増、9月は同4.2%増)。

○4月の雇用統計

⇒3月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人数は848万8000人(市場予想は870万人)で、2月は当初発表の875万6000人から881万3000人に上方修正されました。

⇒失業保険継続受給件数(季節調整済み)は、前月の179万4000件から179万1000件に減少しました。

→2024年5月2日発表の週間新規失業保険申請件数:20万9000件(当初の発表通り)

→2024年5月9日発表の週間新規失業保険申請件数:23万1000件

→2024年5月16日発表の週間新規失業保険申請件数:22万2000件

→2024年5月23日発表の週間新規失業保険申請件数:21万5000件

→2024年5月30日発表の週間新規失業保険申請件数:21万9000件

●企業業績

○時価総額の98.0%に相当する490銘柄が2024年第1四半期の決算発表を終え、そのうちの378銘柄(77.1%)で営業利益が予想を上回り、489銘柄中285銘柄(58.3%)で売上高が予想を上回りました。2024年第1四半期の営業利益は前期比で1.9%増、前年同期比では4.6%増が見込まれています。

⇒売上高は前期比で3.7%減、前年同期比では4.5%増となる見通しです。

⇒2024年第1四半期の営業利益率は、2023年第4四半期の11.00%を上回り、2023年第1四半期と同じ11.64%になると予想されます(1993年以降の平均は8.41%、過去最高は2021年第2四半期の13.54%)。

⇒現時点で、2024年第1四半期中に株式数の減少によってEPSが大きく押し上げられた発表済みの銘柄の割合は13.4%となっています。この割合は、2023年第4四半期は12.6%、2022年第4四半期は18.5%でした。

○2024年通年の利益は前年比12.9%増が見込まれており、この予想に基づく2024年の予想株価収益率(PER)は21.9倍となっています。

○2025年通年の利益は前年比14.7%増が見込まれており、2025年の予想PERは19.1倍となっています。

※「常勝街道に回帰!目標値は6カ月連続で上昇 (4)」へ続く

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