株価指数先物【寄り前】 狭いレンジ推移のなかで13週線の攻防

市況
2024年6月21日 7時51分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 38600 -10 (-0.02%)

TOPIX先物 2733.0 +8.0 (+0.29%) 

シカゴ日経平均先物 38545 -65

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

20日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500https://us.kabutan.jp/indexes/%5ESPX/chart、ナスダックは下落。先週の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の23万8000件となり、市場予想(23万5000件程度)を上回ったほか、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数はプラス1.3と予想(プラス4.5程度)を下回った。5月の米住宅着工件数も予想を下回るなか、米連邦準備理事会(FRB)が利下げをしやすくなるとの見方につながった。

5月末の急落以降、不安定な値動きが続いていたセールスフォース<CRM>が4%を超える上昇でNYダウを牽引したほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やIBM<IBM>が買われた。エヌビディア<NVDA>は高値更新後に下落に転じた影響から半導体株の一角には利益確定の売りが優勢となり、ナスダック指数は8営業日ぶりに反落した。S&P500業種別指数はエネルギー、小売、保険が上昇した半面、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、自動車・同部品が下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比65円安の3万8545円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円高の3万8620円で始まり、3万8540円~3万8670円辺りでのレンジ推移を継続。米国市場の取引開始直後に3万8710円まで買われる場面も見られたが、買い一巡後は軟化し、中盤にかけてショート優勢の流れとなり、一時3万8400円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけて下落幅を縮めており、3万8600円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はエヌビディアが下落した影響から、やや売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで3万8710円まで買われる場面も見られたが、25日移動平均線(3万8690円)辺りが上値抵抗線として意識される形だった。一方で、下値はボリンジャーバンドの-1σ(3万8390円)が支持線となることで、本日も狭いレンジでの取引になりそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株には利益確定の売りが先行する形から日経平均型の重荷となりそうだが、ショートを強めるよりも押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

米国では予想を下回る経済指標の発表が相次ぐなか、FRBによる年内利下げ観測が高まってきたものの、米国景気の減速感が警戒されてきている。そのなかで成長期待の大きいエヌビディアなどハイテク株への押し目買い意欲は強いと考えられるため、利食いの場面では押し目狙いのタイミングと受け止められやすいと考えられる。

日経225先物は-1σと25日線とのレンジ推移により、オプション権利行使価格の3万8375円から3万8750円でのレンジを想定する。また、13週線が3万8630円辺りに位置しているため、同水準を終値で上回ってくる可能性が高まる局面においては、若干ながらショートカバーを誘う形となり、ロング優勢の展開に期待したいところだろう。

20日のVIX指数は13.28(前日は12.48)に上昇した。ボトム圏での推移ではあるものの、25日線(12.66)を上回ってきている。目先的には75日線(14.03)、200日線(14.47)辺りが意識されてくる局面もありそうだ。14.00を回復する動きをみせてくる局面においては、ショートが入りやすくなりそうだ。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に上昇した。朝方は14.09倍と前日の安値を下回る場面もみられたが、前場終盤にかけて200日線(14.13倍)を捉えると、後場はハイテク株の強い値動きから相対的に日経平均型優位の展開だった。エヌビディアの下落の影響からNTショートに振れやすくなりそうだが、200日線を挟んだ底堅さがみられるようだと、押し目ではNTロングに向かわせやすい。

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