21日の株式相場見通し=強弱観対立、米ハイテク株安も円安進行で方向感見えにくい
21日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値近辺で方向感の見えにくい不安定な値動きが想定される。前日は欧州株市場で主要国の株価指数がほぼ全面高に買われる展開となったが、米国株市場では半導体関連などを中心に変調な動きを強いられた。エネルギー関連株の上昇などを背景にNYダウは上値指向を継続したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は朝方こそ高く始まったがその後は値を消し、午後の取引で下げ幅を広げる展開となった。これまで相場の牽引役を担っていたエヌビディア<NVDA>が3.5%安に売られたほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに急反落している。朝方発表された週間の新規失業保険申請件数が事前コンセンサスを上回った一方、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の米住宅着工件数は予想を下回るなど、景気減速を示唆する経済指標が相次いだ。足もとでFRBによる早期利下げ期待が追い風となっているが、同時に米経済の先行きに対する警戒感も意識されている。東京市場では、米ハイテク株安が上値を押さえる要因となるものの、外国為替市場で一段と円安が進んでいることは株価の下支え材料となり、強弱観が対立する地合いが想定される。日経平均は3万8000円台半ばでのもみ合いとなりそうだ。
20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比299ドル90セント高の3万9134ドル76セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同140.645ポイント安の1万7721.587だった。
日程面では、きょうは5月の全国消費者物価指数(CPI)、5月の食品スーパー売上高など。海外では6月の英PMI、6月のユーロ圏PMI、6月の独PMI、6月の仏PMI(いずれも速報値)、6月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、5月の英小売売上高、6月の米中古住宅販売件数、5月の米景気先行指標総合指数など。