利食い優勢も下値の堅さは意識される/オープニングコメント
21日の日本株市場は、こう着感の強い相場になりそうだ。20日の米国市場は、NYダウが299ドル高、ナスダックは140ポイント安だった。新規失業保険申請件数の減少を受けた金利の上昇が嫌気された一方、住宅着工件数やフィラデルフィア連銀景況指数が経済の減速を示し、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が支えとなった。
ナスダック指数は朝方過去最高値を付けたが、午後に入り軟調に推移。株価指数先物と株価指数オプション、個別株オプションの満期日が重なるトリプルウィッチングを翌日に控え、連日上昇を続けていた半導体エヌビディアを中心に売られた。シカゴ日経平均先物は日中大阪比65円安の38545円。円相場は1ドル158円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売りが先行することになりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時38710円まで買われた後に38400円まで売られたが、終盤にかけて買い戻され、38600円と小幅な下げで終えた。売りが先行する格好となろうが、下値の堅さは意識されそうだ。エヌビディアは高値更新後に下落に転じたことから、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角には利益確定の売りが入りやすく、日経平均株価の重荷になりそうだ。
強い基調が継続しているTDK<6762>やソフトバンクG<9984>なども利食いが入りやすいと考えられるが、ソフトバンクGについては外資系証券で格上げが観測されていることから、押し目買い意欲は強そうである。昨日の日経平均株価はボリンジャーバンドの-1σを挟んだ、-2σと25日線でのレンジだった。-1σは38450円辺りに位置しているため、同水準に接近する局面では、その後のリバウンドを想定した押し目買いに向かわせよう。
また、本日はハイテク株には利食いが入りやすいと考えられるものの、AI関連への成長期待は根強いことから、半導体株へは資金流入が継続しやすいだろう。そのほか、PBR1倍割れや高配当銘柄への物色意欲も強いことから、相場全体が弱含み局面においては、相対的な底堅さがみられる可能性はありそうだ。
《AK》