来週の株式相場に向けて=「政治の季節」を迎え様子見姿勢は続くか
21日の東京市場は、日経平均株価が前日比36円安と小幅に4日ぶり反落した。積極的な売買は手控えられ3万8600円を中心とする一進一退に終始した。
6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合ではアク抜け感は出ず、「結局、ともに7月30~31日に予定されている次回会合に課題は持ち越された」(市場関係者)格好だ。このことが相場の気迷いムードを強めさせており、日経平均株価の3万9000円を上値とした往来相場は「なおしばらくは続きそうだ」(同)との見方は少なくない。
日米金融政策に加え、新たな警戒材料となったのが、欧州での極右台頭という政局不安だ。特に、フランスではマクロン大統領が下院議会の解散選挙に踏み切ったことから、その結果を注視する展開となった。フランスの下院選の第1回投票は30日に行われ、決選投票は7月7日の予定だ。その結果次第では、金融市場にショックが走る可能性もある。
また、国内では同じく7月7日の東京都知事選が高い関心を集めている。現職の小池百合子知事は負けないまでも苦戦すれば、野党は勢いづくことになる。9月の自民党総裁選を視野に今後、日本国内でも政治がテーマに浮上することが予想される。
加えて、金融政策面では来週は24日に日本銀行が6月の金融政策決定会合における「主な意見」を公表する。また、28日には米国で個人消費支出(PCEデフレーター)が公表される。更に、27日は株主総会の集中日で翌28日には約2兆3000億円の配当金が支払われるとみられており、配当再投資の動きも関心を集めている。
上記以外のスケジュールでは、海外では27日に米1~3月GDP確定値が発表される。同日に米大統領選に向けたバイデン大統領とトランプ前大統領が候補者テレビ討論会を開催する。26日にマイクロン・テクノロジー<MU>、27日にナイキ<NKE>が決算発表を行う。
国内では27日に5月商業動態統計、28日に6月東京都区部消費者物価(CPI)が発表される。24日にしまむら<8227>、壱番屋<7630>、25日にスギホールディングス<7649>、27日にナガイレーベン<7447>、28日に高島屋<8233>、三陽商会<8011>などが決算発表を予定している。更に、27日に豆蔵デジタルホールディングス<202A>、28日にロゴスホールディングス<205A>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9200円前後。(岡里英幸)