富田隆弥の【CHART CLUB】 「ナスダックに変化日が到来」
◆米国半導体大手エヌビディア<NVDA>の時価総額が世界トップとなり話題になったが、それに歩調を合わせてナスダック指数も連日で史上最高値を更新し快進撃が続く。「AI(人工知能)時代」を迎えて、世界の投資マネーがこの米国企業に向かっており、その勢いは目を見張るばかり。とはいえ、上値追いのナスダック指数のチャートには、そろそろ「正念場」という部分も見られる。
◆例えば、4月19日安値(1万5222ポイント)からは9週を経過し、月足では昨年10月安値(1万2543ポイント)から9カ月目が7月に、昨年7月高値(1万4446ポイント)から13カ月目が8月に到来するなど、この夏場は「変化日」のタイミングに差し掛かる(「9」「17」は一目均衡表の基本数値、「13」はフィボナッチ数列)。
◆ナスダック指数の月足は、2022年10月安値から上昇二波を形成するが、順位相関指数(RCI/9、13、26)を見れば日足、週足、月足のいずれもが高値圏に集まっている。どんなに強い相場でも、相場であれば調整を挟むもの。今年3月にもエヌビディアを中心に「人気の片寄り」を見せたが、翌4月に調整を入れた。この夏のナスダックにはそのようなリスクシナリオがあることを頭の片隅に入れておきたい。
◆さて、日本株だが、日経平均株価は3万8000円台で足踏みが続く。日足チャートは25日移動平均線と75日線、週足チャートは13週線と26週線の間で保ち合いを煮詰めた状況にあり、ここからの「放れ」が焦点になる。4万円台を回復するなら再び「好転」となり、逆に5月30日に付けた安値3万7617円を割り込むと「調整二段下げ」のリスクが台頭する。為替やナスダックの動向も注目されるが、夏相場は日経平均株価の放れ足を重視したい。
(6月20日 記、次回更新は6月29日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース