25日の米国市場ダイジェスト:NYダウは299ドル安、エヌビディアが反発
■NY株式:NYダウは299ドル安、エヌビディアが反発
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は299.05ドル安の39,112.16、ナスダック指数は220.84ポイント高の17,717.65で取引を終了した。
寄り付きはまちまち。6月消費者信頼感指数の低下を受けた景気の先行きへの警戒感や、FRB当局者が相次いで利下げに慎重姿勢を見せたことが相場の重しとなった。半導体エヌビディアの反発は投資家心理を支え、半導体や人工知能(AI)銘柄にも買いが入りナスダックは上昇。エヌビディアは直近高値から10%超下落し、調整局面入りとなっていたが、値ごろ感もあったようだ。セクター別では半導体・同製造装置が大きく上昇。メディア・娯楽や自動車・自動車部品なども上昇した。一方、耐久消費財・アパレル、不動産、素材などが下げた。
クルーズ船運営のカーニバル(CCL)は市場予想を上回る決算と強い業績見通しが好感され上昇した。航空機メーカーのエアバス(AIR)は今年通期の業績予想と航空機の納入目標を下方修正し下落。同業のボーイングも連れて売られた。航空機の設計・製造を手掛けるスピリット・エアロシステムズ・ホールディングス(SPR)はボーイングが全額現金としていた買収案を株式交換を中心とする提案に切り替えたと報じられ下落。
小売り最大手のウォルマート(WMT)はレイニーCFOが5-7月期(第2四半期)は既存店売上高の観点から今年最も厳しい四半期だと述べたことが嫌気されて下落。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)はアマゾンのプライムセールと同時期に今年も会員向けセールを実施すると発表し、値下げが広がると嫌気され下落した。
FRBのボウマン理事は、労働市場のひっ迫や地政学的情勢などインフレ見通しに上振れリスクがあると警告。政策金利をしばらくの間、高水準に維持する必要があるとの考えを改めて示した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米FRB理事のタカ派的発言受けて金利上昇・ドル買い
25日のニューヨーク外為市場でドル・円は、159円43銭から159円76銭まで上昇し、159円68銭で引けた。ボウマン米FRB理事の「しばらく政策金利の据え置き必要」(ロンドンでの講演原稿)との見解が意識されるなか、5月シカゴ連銀全米活動指数の予想外のプラス転換をきっかけにドル買いが強まった。10年債利回りは4.20%台から4.25%台まで上昇した。一方、6月消費者信頼感指数は予想上振れも前月から低下したが、ドル売りは限定的となった。
ユーロ・ドルは1.0691ドルへ下落後、1.0718ドルまで上昇し、1.0712ドルで引けた。米2年債入札の順調な結果を受けて金利がやや低下したところで欧州通貨の買い戻しがみられた。ユーロ・円は170円71銭から171円14銭まで上昇した。
ポンド・ドルは1.2671ドルへ下落後、1.2696ドルまで上昇。ドル・スイスフランは0.8932フランから0.8953フランまで上昇した。
■NY原油:反落で80.83ドル、81ドル台後半で利食い売りが増える
NY原油先物8月限は反落(NYMEX原油8月限終値:80.83 ↓0.80)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-0.80ドルの80.83ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは80.69ドル-81.90ドル。アジア市場で81.90ドルまで買われたが、81ドル台後半で利食い売りが強まり、米国市場の終盤にかけて80.69ドルまで値下がり。通常取引終了後の時間外取引では主に81ドルを挟んだ水準で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 39.38ドル -0.64ドル(-1.59%)
モルガン・スタンレー(MS) 97.80ドル +0.70ドル(+0.72%)
ゴールドマン・サックス(GS)457.38ドル -4.71ドル(-1.01%)
インテル(INTC) 30.74ドル +0.17ドル(+0.55%)
アップル(AAPL) 209.07ドル +0.93ドル(+0.44%)
アルファベット(GOOG) 185.58ドル +4.79ドル(+2.64%)
メタ(META) 510.60ドル +11.69ドル(+2.34%)
キャタピラー(CAT) 327.40ドル -2.60ドル(-0.78%)
アルコア(AA) 39.94ドル -0.62ドル(-1.52%)
ウォルマート(WMT) 67.42ドル -1.48ドル(-2.14%)
《ST》