株価指数先物【寄り前】 6月戻り高値を突破ならショートカバーが強まる
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 39320 +170 (+0.43%)
TOPIX先物 2782.5 -3.0 (-0.10%)
シカゴ日経平均先物 39290 +140
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
25日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。6月の米消費者信頼感指数が100.4と前月の101.3から低下したほか、6月のリッチモンド連銀製造業景況指数はマイナス10となり、前月の0から悪化した。米国経済の減速を示す結果と受け止められて、直近で買われていた景気敏感株などが売られた。また、米連邦準備理事会(FRB)のボウマン理事が、インフレのリスクに言及し、利下げに慎重な姿勢を示したことも重荷となった。
そのなか、足もとで利益確定の売りに押されていたエヌビディア<NVDA>が4営業日ぶりに反発し、AI関連やハイテク株の一角に買いが波及した。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、自動車・同部品が上昇した半面、耐久消費財・アパレル、不動産、素材が下落。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比140円高の3万9290円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円安の3万9130円で始まり、3万9030円~3万9180円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後にレンジを上放れ、中盤には日中で付けた高値3万9200円を突破。終盤にかけてもロング優勢が続き、一時3万9330円まで買われ、3万9320円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まりそうだ。米国市場では景気敏感株が売られる一方で、足もとで利益確定が優勢だったハイテク株が買われており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。エヌビディアは25日移動平均線までの調整を経て4営業日ぶりに反発しており、理想的なリバウンドとなったことで、押し目待ち狙いの買い意欲は強いとみられる。
また、24日からナスダック100指数に組み入れられたアームホールディングス<ARM>も4営業日ぶりに反発し、上昇率は6%を超えた。これを受けて、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]への手掛かり材料になりそうだ。
日経225先物は前日の上昇で75日線およびボリンジャーバンドの+1σを突破し、+2σ(3万9290円)に迫る場面もみられた。+2σはナイトセッションで3万9360円と拡大を見せてきており、同水準を捉えてくることで、6月11日に付けた直近の戻り高値3万9350円をクリアしてくる可能性がある。週足の+1σ(3万9140円)をナイトセッションで明確に上放れてきており、+2σが位置する3万9750円辺りが意識されやすく、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。
そのため、オプション権利行使価格の3万9000円から3万9750円のレンジを想定する。6月11日の戻り高値水準では強弱感が対立しやすいだろうが、3万9000円から3万9375円のレンジでは、押し目狙いのロング対応に向かわせよう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が牽引するなかで日経平均型優位の展開が見込まれるが、配当再投資に絡んだ需給面での思惑からTOPIX型への資金流入も意識されやすく、全体としての底堅さが期待されそうである。
25日のVIX指数は12.84(前日は13.33)に低下した。13.48と上昇して始まり、一時13.52まで上げる場面も見られたが、その後は低下傾向から25日線(12.80)に接近した。同線が支持線として機能する可能性もあるため楽観はできないものの、リスク選好に傾きやすいだろう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.05倍に低下した。14.09倍で始まり、その後は25日線(14.06倍)辺りで膠着をみせていたが、前場終盤にかけて低下する形となった。TOPIX型主導の相場展開のなかで、一時14.01倍まで下げる場面もみられた。本日はエヌビディアの上昇を受けて日経平均型優位の展開が意識されやすく、25日線を上回ってのNTロングに向かわせそうだ。
株探ニュース