27日の株式相場見通し=売り優勢か、直近の急ピッチな上昇の反動で
27日の東京株式市場では主力株への売りが優勢となり、日経平均株価は軟調に推移する見通しだ。前日の米国市場ではNYダウ平均株価が小幅に上昇。ナスダック総合株価指数は続伸した。エヌビディア<NVDA>は引けにかけてプラスに転じる展開だったが、半導体株は総じて冴えない展開となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅に下落。引け後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>は時間外取引で水準を切り下げている。外国為替市場では1ドル=160円台後半まで円安が進行し、対ユーロで円相場は最安値をつけた。夜間取引で日経平均先物9月限は3万9400円台前半まで水準を切り下げている。今週に入り日経平均は急ピッチな上昇をみせており、前週末比で3営業日間の上げ幅は1000円超となっている。配当再投資の買いや、四半期末のリバランスに伴う資金の流入が日本株の底上げに寄与したとみられているが、きょうから受け渡しベースで実質的に7月相場に入り、12月期決算企業の株価は中間配当の権利落ちの影響を受けることとなる。7月上旬はETF(上場投信)の分配金捻出に伴う売り圧力が見込まれているほか、日本時間6月28日午前には米大統領選前のテレビ討論会が控えているとあって、目先の利益を確定する目的の売りが膨らむことが想定されている。更に、急速な円安の進行の反動で一時的に円が強含んだ場合は、輸出株には逆風となるだろう。一方、米長期金利の上昇は金融株やバリュー株の下支え要因となる見込み。日経平均は3万9200円から3万9600円の範囲で推移しそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比15.64ドル高の3万9127ドル80セントと小反発。ナスダック総合株価指数は同87.502ポイント高の1万7805.156と続伸した。
日程面では、5月の商業動態統計、1~3月期資金循環統計、対外・対内証券売買契約が公表されるほか、2年物国債の入札が予定されている。5月の建機出荷額や6月の月例経済報告なども発表される。東証グロース市場には、豆蔵デジタルホールディングス<202A>が新規上場する。海外では1~5月の中国工業企業利益が公表される予定。米国では週間の新規失業保険申請件数や1~3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値、5月の耐久財受注額速報値、5月の米仮契約住宅販売指数などの発表を控えている。