話題株ピックアップ【夕刊】(2):くら寿司、東北新社、オークワ

注目
2024年6月28日 15時13分

■くら寿司 <2695>  4,045円  -300 円 (-6.9%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

くら寿司<2695>が大幅安。米国子会社くら寿司USA<KRUS>が27日、2024年度第3四半期の未監査の暫定決算を発表。総売上高は約6310万ドル、既存店売上高は前年同期比約0.6%増を見込んだ。くら寿司USAの姥一(うばはじめ)CEOは決算のコメントで「カリフォルニア市場の予想外の軟化が大きく影響し、予想を下回る結果となった」とした。この発表を受け、くら寿司USAの株価は米国市場の時間外取引で急落しており、親会社のくら寿司にも売りが波及したようだ。

■東北新社 <2329>  500円  -29 円 (-5.5%)  本日終値

東北新社<2329>が冴えない動き。27日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、純利益を50億9800万円から34億6900万円(前期比13.7%減)へ下方修正し、増益予想から一転して減益予想としたことが嫌気された。米国子会社が出資している投資事業組合の出資持ち分について、ボラティリティが高く、連結財務諸表に与える影響が大きくなっており、今後の飛躍的な改善の見通しも立っていないため、財務の安定性の確立を目的に譲渡することを決定。それに伴い投資有価証券評価損19億8300万円を特別損失として計上することが要因としている。なお、売上高460億4500万円(同12.8%減)、営業利益21億6300万円(同19.2%減)は従来見通しを据え置いた。

■オークワ <8217>  918円  -40 円 (-4.2%)  本日終値

オークワ<8217>が3日続落。27日の取引終了後に発表した第1四半期(2月21日~5月20日)連結決算が、売上高586億9700万円(前年同期比0.8%増)、営業損益3800万円の赤字(前年同期600万円の黒字)となり、営業赤字に転落したことが嫌気された。主力のスーパーで急激なインフレにより消費者の節約志向が高まる一方、値上げ効果で売上高は小幅ながら増収となったが、需給バランスや価格高騰に伴う原材料価格の変動、エネルギーコストや人件費の上昇によるコスト増加が損益を悪化させた。なお、25年2月期通期業績予想は、売上高2590億円(前期比4.7%増)、営業利益35億円(同21.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■三陽商会 <8011>  2,401円  -72 円 (-2.9%)  本日終値

三陽商会<8011>は朝高スタートもその後マイナスに転じた。午前11時ごろに発表した第1四半期(3~5月)連結決算が、売上高153億7800万円(前年同期比3.7%減)、営業利益7億4700万円(同27.8%減)、純利益5億9000万円(同34.1%減)と大幅減益となったことが嫌気された。前年のリベンジ消費の反動に加えて、繰越在庫の大幅減少によるセール販売の落ち込みの影響が大きかった。なお、25年2月期通期業績予想は、売上高625億円(前期比1.9%増)、営業利益33億円(同8.3%増)、純利益31億円(同11.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■ハローズ <2742>  4,470円  -65 円 (-1.4%)  本日終値

ハローズ<2742>は冴えない動き。27日の取引終了後に発表した第1四半期(3~5月)単独決算は、売上高497億3600万円(前年同期比8.1%増)、営業利益29億5000万円(同20.4%増)、純利益20億5100万円(同23.4%増)と増収増益となり、朝方はこれを好感する買いで高く始まったものの、買い一巡後は材料出尽くし感から利益確定売りに押される展開となった。原材料の高騰などによる商品価格の上昇を背景に、既存店売上高が伸長したことに加えて、プライベートブランド商品のシェアアップを図ったことなどが奏功した。なお、25年2月期通期業績予想は、売上高2017億5500万円(前期比3.2%増)、営業利益109億6000万円(同0.8%増)、純利益74億2000万円(同13.6%減)の従来見通しを据え置いている。

■音通 <7647>  33円  +5 円 (+17.9%)  本日終値

音通<7647>が高い。27日の取引終了後、GENDA<9166>が自社に対し、完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表。TOB価格を1株33円としており、これにサヤ寄せする格好となった。岡村邦彦社長を含む取締役らの資産管理会社であり、音通の筆頭株主であるデジユニットは同TOBに応募せず、TOB成立後にGENDAがデジユニット株をすべて取得するという。買い付け予定数は1億5274万5735株(下限7832万株、上限設定なし)、買い付け期間は6月28日から8月13日まで。東京証券取引所は27日付で音通を監理銘柄(確認中)に指定した。

■大運 <9363>  461円  +60 円 (+15.0%) 一時ストップ高   本日終値

大運<9363>は一時ストップ高。27日取引終了後、取得上限は120万株(自己株式を除く発行済み株数の21.69%)、または3億円とする大規模な自社株買いの実施を発表した。期間は7月1日から来年6月30日まで。これを好感した買いが集まった。

■YE DIGITAL <2354>  825円  +95 円 (+13.0%)  本日終値

YE DIGITAL<2354>は急騰。安川グループのIoTソリューションを支える中核企業で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を捉え、足もとの業績は好調を極めている。同社が27日取引終了後に発表した25年2月期第1四半期(24年3~5月)決算は営業利益が前年同期比82%増の3億2600万円と急拡大、これを評価する買いを呼び込んでいる。生成AIの発展や既存システムの更新需要、省人化ニーズなどを背景に企業のデジタル関連投資が旺盛で同社の商機を高めている。株価は6月に入ってから順調に下値を切り上げてきたが、好決算発表を受けて目先上げ足に弾みがついている。

■FフォースG <7068>  725円  +56 円 (+8.4%)  本日終値

フィードフォースグループ<7068>は年初来高値更新。27日取引終了後、25年5月期連結業績予想について売上高を前期比8.3%増の45億8000万円、純利益を同2.5倍の11億7200万円と発表。売上高、純利益とも過去最高を更新する見通しとなり、これを好感した買いが入った。配当予想は無配継続とした。同時に発表した24年5月期決算は売上高が前の期比6.6%増の42億2900万円、純利益が同4.2倍の4億7300万円だった。運用型広告代行やデジタルマーケティング支援を行う主力のプロフェッショナルサービス事業が好調だった。あわせて、取得上限46万株(自己株式を除く発行済み株数の1.8%)、または3億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は7月2日から同月5日まで。東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得する。取得した株式は7月31日付で消却する。

■アトラエ <6194>  810円  +46 円 (+6.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

アトラエ<6194>が続急伸し年初来高値を更新。27日の取引終了後、24年9月期の配当予想を期末一括15円から20円に増額修正したことが好感された。なお、前期は無配で今期が初配当となる。

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