ダウ平均は上昇 PCEデフレータは利下げ期待を正当化 ナイキが大幅安=米国株概況

市況
2024年6月29日 5時35分

NY株式28日(NY時間16:24)(日本時間05:24)

ダウ平均   39118.86(-45.20 -0.12%)

S&P500    5460.48(-22.39 -0.41%)

ナスダック   17732.61(-126.07 -0.71%)

CME日経平均先物 39825(大証終比:+245 +0.62%)

きょうのNY株式市場、ダウ平均、ナスダックとも下落。取引開始前に発表になった5月のPCEデフレータは前月比で横ばい、前年比で2.6%の上昇となった。FRBが注目する住宅とエネルギーを除くサービスインフレも前月比0.1%の上昇と昨年10月以来の低い伸びとなっている。

予想通りの内容ではあったが、年後半のFRBの利下げ期待を正当化する内容でもあったことから、米株式市場はポジティブな反応を示している。取引開始直後は売買が交錯していたものの、次第に買いが優勢となった。

しかし、IT・ハイテク株中心に次第に戻り売りが優勢となる中、株価指数も下げに転じた。

きょうは6月期末の最終売買日となる。AIの追い風を受けてエヌビディアが一時世界最大の時価総額を持つ企業となり、アマゾン<AMZN>の時価総額も2兆ドルを超えた。しかし、今週はエヌビディアの株価は乱高下し、マイクロン<MU>は決算で市場の高い期待値を達成できなかったことから下落している。

市場ではこの上昇がいつまで続くのかが最大のテーマとなっている。ストラテジストは「いわゆるマグニフィセント7と呼ばれる大手IT・ハイテクの米株価指数への寄与度が集中していることが懸念材料で、S&P500もナスダック100も脆弱だ」と警戒感を示している。

「AI関連株の楽観論とエヌビディアの急騰は、バブルの再来を示すものではないが、IT・ハイテク株のリーダーシップが今後数四半期で衰える可能性は高まっている。足元のモメンタムはまだ非常に強いが、モデルはファンダメンタルのサポートが薄れつつある点に注目している」といったコメントも聞かれた。

本日のPCEデフレータはインフレ鈍化を示した半面、景気減速も浮き彫りしたとの指摘も出ている。景気は予想よりも速いペースで減速しつつあり、それはFRBが見込んでいたよりも急速だという。FRBの高金利維持が長過ぎるリスクがあり、早期に利下げを開始せず、後になって必要以上の利下げを迫られる可能性があると言及している。

ナイキ<NKE>が大幅安となりダウ平均を圧迫。前日引け後に3-5月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高が予想を下回った。その後の決算会見で報告したガイダンスでは25年度の通期の売上高見通しは1桁台半ばの減収を見込んだ。市場は増収を見込んでいた。

光通信機器のインフィネラ<INFN>が大幅高。フィンランドのノキアが同社を買収することで合意した。

くら寿司USA<KRUS>が大幅安。前日引け後に3-5月期(第3四半期)の暫定決算を公表し、売上高見通しが予想を下回った。通期についても予想を下回る見通しを示した。

企業の福利厚生ソリューションを手掛けるアコレード<ACCD>が決算を受け急落。通期の売上高見通しを下方修正したほか、第2四半期の売上高も予想を下回る見通しを示した。

バイオ医薬品のカリスマ・セラピューティクス<CARM>が大幅高。モデルナ<MRNA>との提携のもとで最初の生体内キメラ抗原受容体(CAR)マクロファージ開発候補を指名したと発表した。

ナイキ<NKE> 75.37(-18.82 -19.98%)

インフィネラ<INFN> 6.09(+0.83 +15.78%)

くら寿司USA<KRUS> 63.09(-19.30 -23.43%)

アコレード<ACCD> 3.58(-2.81 -43.97%)

カリスマ<CARM> 1.52(+0.24 +18.75%)

エスペリオン<ESPR> 2.22(-0.09 -3.90%)

アップル<AAPL> 210.62(-3.48 -1.63%)

マイクロソフト<MSFT> 446.95(-5.90 -1.30%)

アマゾン<AMZN> 193.25(-4.60 -2.32%)

アルファベットC<GOOG> 183.42(-3.44 -1.84%)

テスラ<TSLA> 197.88(+0.46 +0.23%)

メタ<META> 504.22(-15.34 -2.95%)

AMD<AMD> 162.21(+2.74 +1.72%)

エヌビディア<NVDA> 123.54(-0.45 -0.36%)

イーライリリー<LLY> 905.38(-3.66 -0.40%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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