円安進行を受けた日本経済への影響が警戒される/オープニングコメント
2日の日本株市場は、円安進行が重荷となり、こう着感が強まりそうだ。1日の米国市場は、NYダウが50ドル高、ナスダックは146ポイント高だった。フランス国民議会選挙の結果を受けて過度な警戒感が和らぐ格好となり、買い優勢の相場展開となった。その後、6月のISM製造業景気指数が市場予想に反し小幅に低下、3カ月連続での活動縮小となったことで、成長減速懸念から下落に転じる場面もみられた。米長期金利の上昇も相場の重荷となり、NYダウは前日終値近辺で推移。シカゴ日経平均先物は日中大阪比140円安の39530円。円相場は1ドル161円40銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売りが先行することになりそうだ。米国市場では大型テック株や半導体株の一角が買われたが、日経225先物はナイトセッションで一時39810円まで買われる場面も見られたものの、終盤にかけて下げに転じていた。為替市場ではフランス国民議会選挙を受けて、ユーロ買い・円売りの流れとなり、対ドルにおいても円が売られる展開だった。一段の円安進行を受けた日本経済への影響が警戒されるなか、手掛けづらくさせそうだ。
日経平均株価は先物に連動する形から、ボリンジャーバンドの+2σ(39620円)が抵抗線として意識されてくる可能性がありそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向を睨みながらの展開になりそうだが、戻りの鈍さが意識されてくるようだと、持ち高調整の売りに向かわせそうである。ボリンジャーバンドのバンドは上向きで推移しており、これに沿ったトレンド形成が期待されるものの、4日の米国市場が独立記念日で休場になるほか、週末には米雇用統計の発表を控えるなか、海外勢のフローも限られるだろう。
そのため、押し目待ち狙いの買い意欲は強いと考えられるものの、積極的な上値追いの流れは期待しづらいところである。なお、物色としては円安進行を受けた輸出関連への資金シフトがみられるほか、長期金利の上昇を背景に金融セクターへの物色に向かわせそうである。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は足もとで低下傾向をみせてきており、バリュー株などTOPIX型に資金がシフトしやすいだろう。
《AK》