萩原電気HD Research Memo(6):デバイス事業は増収増益、ソリューション事業は増収減益

特集
2024年7月2日 15時36分

■萩原電気ホールディングス<7467>の業績動向

2. 2024年3月期のセグメント別状況

(1) デバイス事業

売上高は196,126百万円(前期比23.4%増)、営業利益は5,670百万円(同26.3%増)、営業利益率は2.9%(前期は2.8%)となった。

a) 得意先別売上高

得意先別売上高では、デンソー向け101,284百万円(前期比19,494百万円増、同23.8%増)、東海理化<6995>向け5,524百万円(同76百万円増、同1.4%増)、その他35,590百万円(同10,985百万円増、同44.6%増)、海外拠点得意先53,728百万円(同6,596百万円増、同14.0%増)となった。その他の主な増加要因は、デンソーグループ各社向けである。

自動車の生産台数が増加したことに加えて、車載マルチメディアや先進運転支援システム等に関連する取り扱い品の採用車種拡大、新規採用により売上高が増加した。

b) エリア別売上高

エリア※別売上高は、日本142,397百万円(前期比30,555百万円増、同27.3%増)、アジア24,112百万円(同138百万円増、同0.6%増)、アメリカ24,908百万円(同5,546百万円増、同28.6%増)、欧州4,707百万円(同911百万円増、同24.0%増)となった。この結果、海外売上高は53,728百万円(同6,596百万円増、同14.0%増)となった。

国内を中心に、全エリアで前期を上回った。第3四半期まで低調であったシンガポール及び中国拠点は累計で前期を割り込んだものの、第4四半期会計期間では2ケタの増収となった。

※地域名は同社グループ拠点の所在地域(グループ内取引は除く)。また、同社グループのシンガポール、中国、アメリカ拠点の決算期は12月となるため、2024年3月期に織り込まれる業績は2023年1月~2023年12月の期間のものとなっている。

(2) ソリューション事業

売上高は29,023百万円(前期比7.4%増)、営業利益は2,040百万円(同8.7%減)、営業利益率は7.0%(前期は8.3%)となった。

中国市況などの影響により一部顧客において在庫調整などの動きが見られたものの、主要顧客である自動車関連企業の投資需要を取り込んだことで、売上高は堅調に推移した。しかし、セグメント内での売上構成の変化(比較的利益率の高い「組込」の比率低下)により売上総利益が伸び悩んだことに加えて、次世代機開発やマーケティングなどの投資を積極的に実行したことで営業利益は減益となった。

a) 事業別売上高

事業別売上高※は、システムソリューションが9,352百万円(前期比1,335百万円増、同16.7%増)、組込が13,724百万円(同194百万円減、同1.4%減)、FAソリューションが5,946百万円(同856百万円増、同16.8%増)となった。

※2024年3月期から事業別売上高の名称をシステムソリューション(旧:IT)、組込(変更なし)、FAソリューション(旧:計測FA)に変更した。各事業の内容は以下のようになっている。

・システムソリューション:IT機器販売、アプリ開発、IoTシステム開発、セキュリティ対策等。

・組込:産業用コンピュータ開発・製造、機械装置向け組込産業用コンピュータ販売等。

・FAソリューション:計測機器・検査装置・FA機器販売、各種自動化・省力化製造装置の開発・製造・販売等。

中国市況などの影響により一部顧客において在庫調整の動きが見られたことで組込領域の売上高が伸び悩んだものの、自動化や効率化を目的としたシステム投資などが好調だった。なお、FAソリューションの売上高増には2022年9月に子会社化した萩原エンジニアリング(株)の寄与も含まれている。

b) 業種別売上高

業種別売上高では、自動車が10,141百万円(前期比1,626百万円増、同19.1%増)、FA・産業機器が14,154百万円(同97百万円増、同0.7%増)、その他が4,727百万円(同273百万円増、同6.1%増)となった。

自動車関連の顧客においてシステム更新需要や製造ライン構築にかかる投資需要を取り込んだ。一方で、FA・産業機器は、一部顧客の在庫調整などの影響を受けて伸び悩んだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

提供:フィスコ

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