ダウ平均は反落もナスダックは堅調 エヌビディアやブロードコムに買い戻し=米国株序盤
NY株式3日(NY時間12:12)(日本時間01:12)
ダウ平均 39265.52(-66.33 -0.17%)
ナスダック 18158.95(+130.19 +0.72%)
CME日経平均先物 40690(大証終比:+90 +0.22%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反落の一方、ナスダックは堅調な推移を続けている。このところ売りが強まっていたエヌビディア<NVDA>やブロードコム<AVGO>といったAI関連銘柄に買い戻しが出ている。ただ、大きな動きまではなく、米利下げへの楽観的な見方が市場に広がる中、前日の過去最高値に近い水準で取引されている状況。
この日発表の米経済指標に弱い内容が相次ぎ、特にISM非製造業景気指数は基準の50を下回り、予想外の弱さとなった。FRBが警戒しているサービス業の景況感悪化が顕著に示された格好。ADP雇用統計も発表になっていたが、こちらも予想を下回り、雇用の冷え込みを示した。
インフレ鈍化への期待から、短期金融市場では9月の利下げ開始期待を80%程度まで織り込む動きが出ている。ただ、弱い経済指標は同時に景気減速の兆候を示すことでもあり、経済指標自体への米株式市場の反応はまちまちとなっている。
前日のS&P500は初めて5500を上回り、今年32回目の最高値更新となった。堅調な企業業績、AIへの熱狂、利下げ期待などを背景に、2022年10月の終値から16兆ドル以上も時価総額を拡大している。
パウエルFRB議長は前日の講演で、インフレ抑制に向けてかなりの前進を遂げたことを認めた。利下げにはさらなる証拠が必要という点も強調していたが、市場では利下げ期待が高まっている。
一部からは「米株式市場の勢いは依然として強く、インフレは鈍化傾向にあり、9月利下げの可能性が高まっている。米経済と労働市場の減速は明らかであり、金曜日の米雇用統計でそれが確認されれば、9月利下げへの道筋がつく」といった声も聞かれる。
メディア大手のパラマウント・グローバル<PARA>が上昇。エリソン氏率いる米独立系映画製作会社スカイダンス・メディア社が同社のオーナー企業ナショナル・アミューズメンツ社を買収し、パラマウントと事業統合を行うことで暫定合意したと伝わった。
創薬のソフトウェアを手掛けるシミュレーションズ・プラス<SLP>が大幅安。取締役会が第4四半期以降の四半期配当の中止を発表。長期的な成長戦略に資金を再配分するという。
創薬プラットフォーム開発のアブサイ<ABSI>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」でカバレッジを開始した。目標株価は7ドルで前日終値よりも2.35倍高い水準。
バイオ医薬品のアビッド・バイオサービシズ<CDMO>が大幅高。前日引け後に2-4月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益が予想外の黒字となった。
なお、明日の独立記念日の祝日のため本日は現地時間午後1時(日本時間4日午前2時)までの短縮取引。
パラマウント<PARA> 11.53(+0.81 +7.58%)
シミュレーションズ<SLP> 39.90(-6.96 -14.85%)
アブサイ<ABSI> 3.20(+0.23 +7.74%)
アビッド・バイオ<CDMO> 7.81(+1.11 +16.57%)
アップル<AAPL> 220.79(+0.52 +0.24%)
マイクロソフト<MSFT> 459.52(+0.24 +0.05%)
アマゾン<AMZN> 197.99(-2.01 -1.01%)
アルファベットC<GOOG> 187.28(+0.67 +0.36%)
テスラ<TSLA> 245.80(+14.54 +6.29%)
メタ<META> 510.37(+0.87 +0.17%)
AMD<AMD> 163.73(-0.58 -0.35%)
エヌビディア<NVDA> 127.14(+4.47 +3.64%)
イーライリリー<LLY> 887.36(-19.36 -2.13%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美