話題株ピックアップ【夕刊】(1):海帆、ワールド、住友鉱
■海帆 <3133> 998円 +98 円 (+10.9%) 本日終値
海帆<3133>が後場に急伸。同社は4日午後2時、美容クリニック向けのコンサルタント業務を手掛ける2社について、簡易株式交換により完全子会社化すると発表。今後の収益貢献を期待した買いが入ったようだ。子会社化するのはBOBS(大阪市中央区)とワイデン(同)。株式交換の効力発生日は8月15日を予定。通期業績に及ぼす影響は現在精査中としている。飲食店運営などを展開する海帆は新型コロナウイルス感染症の拡大後、事業の構造改革を進めており、再生可能エネルギー事業の拡大を図るとともに、美容クリニック事業の支援業務などヘルスケア事業への参入を検討していた。
■ワールド <3612> 2,230円 +204 円 (+10.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
ワールド<3612>が5日ぶりに急反発し、年初来高値を更新した。3日の取引終了後、25年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表した。売上収益は584億100万円、最終利益は40億9900万円となった。第1四半期の最終利益は中間期の計画(42億円)に迫る水準。あわせて発表した6月の月次売上概況では、国内小売売上高が前年同月比9.0%増と堅調に推移しており、業況を評価した買いを集めたようだ。同社は前期に決算期を2月期に変更している。今3~5月期はECでの売り上げが好調だった。
■住友金属鉱山 <5713> 5,284円 +378 円 (+7.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
住友金属鉱山<5713>がマドを開け急伸し、フシ目の5200円台を回復したほか、三井金属<5706>、三菱マテリアル<5711>、東邦亜鉛<5707>、DOWAホールディングス<5714>など非鉄株が軒並み高に買われマーケットの視線を集めている。ここ銅市況が戻り足を強め、前日時点のLME銅価格は1トン当たり9868ドルと約1カ月ぶりの1万ドル台乗せも目前に迫ってきた。中国景気の減速懸念を背景に5月下旬以降、銅価格は一貫して下値を切り下げてきたが、今月に入ってから上昇トレンドへの転換を明示している。中国経済に対する過度な警戒感が後退しているほか、生成AI市場の拡大を背景とした電線需要の増大が銅市況の回復要因として意識されている。また、「亜鉛やアルミなどの価格も底入れ局面にある」(中堅証券アナリスト)という指摘もあり、つれて関連株を買い戻す動きが顕在化してきた。このほか商品市況では原油が6月初旬を境に戻り歩調を強め、世界的なインフレが再燃することへの思惑が醸成されており、非鉄関連株への投資資金還流を一段と促す可能性がある。
■ジェイ・イー・ティ <6228> 2,919円 +206 円 (+7.6%) 本日終値
ジェイ・イー・ティ<6228>が大幅続伸。3日の取引終了後、経済産業省の「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」に、同社の「新本社工場建設による生産力拡大・生産性向上・研究開発の加速の実現 ~技術優位による差別化を目指して~」事業が採択されたと発表しており、好材料視された。同補助金事業は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足もとの人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的としたもの。同社では、岡山県浅口市に新本社工場を建設することで、工場面積拡張による生産能力拡大や省人化・効率化による生産性向上、研究開発の加速などを実現するとしている。なお、24年12月期業績への影響はないとしている。
■パークシャ <3993> 3,610円 +160 円 (+4.6%) 本日終値
PKSHA Technology<3993>が大幅高で3日ぶりに反発。3日の取引終了後、東証プライム市場への市場変更申請に向けた準備を行うと発表しており、好材料視された。同社は現在、東証スタンダード市場に上場しているが、中長期的な成長と企業価値の更なる向上を実現するために、プライム市場への市場変更が必要と判断したという。なお、変更申請日は未定で、承認の可否についても不確定としている。
■FPG <7148> 2,377円 +95 円 (+4.2%) 本日終値
FPG<7148>が後場上げ幅を拡大。午前11時30分ごろ、国内不動産ファンド事業における不動産小口化商品並びに開発案件の累計販売額が6月末時点で2000億円を突破したと発表しており、好材料視された。同社は、安定的な運用収益が見込まれる都心一等地の不動産に1000万円から投資可能な不動産小口化商品を提供しており、24年9月期も「FPGリンクス新橋」、「GINZASIX」(11階フロア全体)、「FPGリンクス神戸元町」などの不動産を積極的に取得し、組成と販売の好循環を加速。これが奏功し、累計販売額2000億円の突破に至ったとしている。
■住友化学 <4005> 362.1円 +14.4 円 (+4.1%) 本日終値
住友化学<4005>が続伸。米ブラックロック<BLK>の日本法人ブラックロック・ジャパンが3日付で財務省に提出した大量保有報告書で、共同保有分を含む住友化株の保有割合が5.14%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入った。保有目的は「純投資」としている。報告義務発生日は6月28日。
■小森コーポレーション <6349> 1,405円 +49 円 (+3.6%) 本日終値
小森コーポレーション<6349>が3日ぶりに反発し年初来高値を更新。3日の取引終了後、日本やカナダなど10カ国から複数台の銀行券及び諸証券印刷設備を受注したと発表しており、好材料視された。受注したのは銀行券印刷設備(オフセット機、凹版機、番号機、番号コーター機)など複数台で、受注金額はこれらを含め証券印刷機事業として23年4月から24年6月まで約200億円。銀行券印刷設備の売り上げは主に工事進行に伴い一定の期間にわたって計上される予定で、今期に収益認識される部分については業績予想に織り込み済みとしている。
■スマレジ <4431> 2,339円 +71 円 (+3.1%) 本日終値
スマレジ<4431>が5日ぶりに反発。3日の取引終了後に発表した6月度の月次登録店舗数で、iPadなどのタブレットを利用したクラウドPOSレジ「スマレジ」の有料プラン登録店舗数が前月比530店舗増の3万6833店舗となり、登録店舗数が順調に積み上がっていることが好感された。
■商船三井 <9104> 5,300円 +121 円 (+2.3%) 本日終値
商船三井<9104>をはじめ日本郵船<9101>、NSユナイテッド海運<9110>、飯野海運<9119>など引き続き海運株への買いが目立つ。コンテナ船市況の改善が進み運賃高止まりが続くほか、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は前日こそ6日ぶりに反落したものの、6月以降は戻り足の強さを際立たせている。原油や非鉄などの商品市況高で世界的なインフレ再燃に向けた思惑が浮上するなか、海運株も運賃市況の一段の上昇を見込んだ投資資金の流入が観測される。そうしたなか、TOPIXベースの業種別指数で「海運」はきょうで5連騰となり、しかも5連続陽線を形成し2007年10月以来約17年ぶりの高値水準に浮上した。
株探ニュース