富田隆弥の【CHART CLUB】 「順調な日本株、猛暑的過熱には注意」
◆東京都心で今年初の猛暑日となった7月4日、株式市場も熱気に包まれた。ハイテクのほか機械、金属、海運、金融・損保株などが幅広く買われ、東証株価指数(TOPIX)は2898.47ポイントでこの日の取引を終え、1989年12月に付けた史上最高値(2884.80ポイント)を34年7カ月ぶりに更新した(終値ベース)。
◆6月下旬にもみ合いを上放れた日経平均株価は、セオリー通り順調に上伸。4日は前日比332円高の4万0913円と5日続伸し、3月22日高値の4万0888円を抜き史上最高値を更新した。年後半入り早々、7月初旬の上昇ぶりは、年初に見せた上放れ相場を彷彿とさせる。
◆米国ではビッグテック株(マグニフィセント・セブン)が堅調で、ナスダックとS&P500指数は6月から史上最高値を更新しており、日本株も遅ればせながら追撃態勢に入ってきた。外国人投資家や新NISA(少額投資非課税制度)経由の買いが指摘されるほか、為替市場で進む「円安」も企業業績の増額期待を膨らませている。
◆ただ、チャートには注意信号も灯り始めている。4日時点で順位相関指数(RCI、13日線96%)、相対力指数(RSI、13日線89.7%)、サイコロジカルライン(10勝2敗)、騰落レシオ(124.5%)など。波動面では、日経平均株価の4月19日安値3万6733円→5月20日高値3万9437円→5月30日安値3万7617円で計算したN値(4万0321円)を達成し、V値(4万1257円)に迫る。
◆そして、7月第2週は4月19日安値から13週目、3月22日高値から17週目と週足チャートの変化日(一目均衡表の基本数値)に当たる。これらを踏まえると、そろそろ「スピード調整」を挟むことを想定しておく。相場は流れに従うものだが、チャートの過熱も無視できず、これから夏休み本番を迎える。個別株は利食いを交えながらの対応も一策だろう。
(7月4日 記、次回更新は7月13日10時を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース