米国株式市場見通し:パウエルFRB議会証言でより「ハト派」発言出るか注目

市況
2024年7月6日 13時28分

来週の米国株は、経済指標と要人発言、そして、企業決算を睨んだ展開となろう。まずは経済指標だが、11日に6月消費者物価指数(CPI)、12日に生産者物価指数(PPI)がそれぞれ発表される。PCEデフレーターと並びFRBが重要視する経済指標のため注目だ。5月のCPIは、前年同月比の上昇率が3.3%となった。市場予想は4月と同じ3.4%で、前月比では伸びが止まった。6月末に発表された5月のPCEデフレーターも前月比では伸びが鈍化したことから、足元のデータでは、高いインフレは緩やかな鈍化傾向にある。今週のパウエルFRB議長の発言の根拠はこれらのデータと推測する。

そのパウエルFRB議長は、9日に上院銀行委員会で、10日に下院金融サービス委員会で、それぞれ半期に一度の金融政策報告に関する議会証言を行う。6月のCPI、PPI発表前ではあるが、今週の弱い雇用関連のデータがアップデートされた状況下の議会証言のため、パウエルFRB議長の発言が今週より「ハト派」となる可能性もある。議会証言後に長期金利が直近最も低かった4.2%水準を下回る状況となれば、主要ハイテク株への刺激材料となり、ナスダック、S&P500は史上最高値を更新する公算大だ。

一方、週末のJPモルガン・チェースやシティグループなど金融株を皮切りに企業決算が徐々に増えてくる。ピークは7月下旬から8月1日にかけてだが、個別物色が強くなることで、主要3指数ともども賑やかな地合いとなりそうだ。NYダウはナスダック、S&P500と比べると上値が重い状況だが、ダウ採用銘柄の決算次第では大きく動く可能性があるため、出遅れ修正が見られる可能性もあろう。

経済指標では、10日に5月卸売在庫、週次原油在庫、11日に6月CPI、週次新規失業保険申請件数、12日に6月PPI、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。

主要企業決算は、10日にオーシャン パワー、11日にデルタ航空、ペプシコ、12日にバンク・オブ・ニューヨーク、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループなどが予定されている。

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.