ETFに絡んだ需給面の影響は限定的か【クロージング】

市況
2024年7月8日 16時10分

8日の日経平均は続落。131.67円安の40780.70円(出来高概算は16億6000万株)で取引を終えた。下期入り以降の急ピッチの上昇に対する過熱感が高まるなか、小幅に下落して始まった。ただし、先週末の米国市場で主要な株価指数が上昇したことが安心感につながり、売り一巡後は前場終盤にかけて強含みとなり、後場の取引開始直後には41112.24円まで上昇する場面も見られた。しかし、パッシブ型ETF(上場投資信託)の決算を迎えるなか、分配金捻出のための売りが観測されるなか、終盤にかけて売り優勢の展開となり、日経平均株価は本日の安値で終えた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1100に迫り、全体の7割に迫った。セクター別では、倉庫運輸、精密機器、医薬品、食料品など6業種が上昇。一方、海運、電気ガス、鉄鋼、保険など27業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファナック<6954>、安川電<6506>、リクルートHD<6098>が軟化した。

5日の米国市場は、6月の米雇用統計を受けて9月の利下げ観測が高まり、長期金利が低下したことを背景に主要株価指数は上昇した。米株高は下支えとはなったが、パッシブ型ETFの分配金捻出のための売り需要が警戒されるなか、積極的な上値追いは限られていた。前場中盤にかけて軟化した後は、切り返しをみせたことからETFに絡んだ需給面の影響は限られるかに見られたが、後場は終盤にかけて弱含む展開だった。ただし、日経平均株価は安値引けとはなったものの、前場に付けた安値をわずかに下回った程度であり、下へのバイアスが強まった形ではない。

10日にもETFの決算に絡んだ分配金捻出のための換金売りが控えているが、本日の底堅い値動きからは、予想以上の押し目待ち狙いの買い意欲の強さが感じられる形だった。9日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が半期に一度の議会証言を行うほか、11日には米消費者物価指数(CPI)の発表が控えている。米国市場の動向にらみの展開になるものの、日本株への押し目買い意欲の強さからは、調整となれば押し目狙いの好機になりそうだ。

《CS》

提供:フィスコ

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