8日の米国市場ダイジェスト:NYダウは31ドル安、インフレ指標やパウエルFRB議長証言待ち
■NY株式:NYダウは31ドル安、インフレ指標やパウエルFRB議長証言待ち
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は31.08ドル安の39,344.79ドル、ナスダックは50.98ポイント高の18,403.74で取引を終了した。
早期の利下げ期待を受けた買いに寄り付き後、上昇。その後、今週予定されている重要インフレ指標やパウエルFRB議長証言を警戒し、ダウは下落に転じた。ナスダックはエヌビディアなどの半導体が支援し、終日堅調に推移し5日連続で過去最高値を更新、まちまちで終了。セクター別では、半導体・同製造装置が上昇した一方、メディア・娯楽が下落した。
半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)はアナリストが目標株価を引き上げ上昇。高級電気自動車メーカーのルーシッド(LCID)は第2四半期の生産、納車台数が市場予想を上回り、買われた。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)は新学期に向けた必需品ショッピングシーズンの割引を発表し売り上げ増を期待した買いに上昇。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は人工知能(AI)や自動運転戦略への期待に買われた。
腸疾患バイオのモーフィック・ホールディング(MORF)は製薬会社のイーライ・リリー(LLY)が同社買収を発表し大幅高。石油・天然ガス生産会社のエクソンモービル(XOM)は第2四半期の減益を警告し、売られた。スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)は冴えない決算を嫌気した売りが継続。
台湾積体電路製造(TSMC)の米国預託証券(ADR)はアナリストが人工知能(AI)半導体需要持続見通しやウエハー価格上昇基調を理由に目標株価を引き上げ上昇し、時価総額が1兆ドルを突破した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:仏選挙結果受けたユーロ買いは限定的
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は161円00銭から160円48銭まで下落し、160円78銭で引けた。先週発表された米6月雇用統計の結果を受けた連邦準備制度理事会(FRB)の年内の早期の利下げを織り込むドル売りが継続した。6月NY連銀の短期のインフレ期待も2カ月連続で鈍化し、利下げを後押しする結果となった。その後、消費者物価指数(CPI)や連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長証言を警戒し下げ止まった。
ユーロ・ドルは1.0845ドルまで上昇後、1.0823ドルへ反落し、1.0825ドルで引けた。フランスの選挙結果で極右が予想外に政権獲得を回避、どの政党も絶対多数に達せずハング・パーラメントの可能性に政局不透明感がくすぶり上値を抑制した。ユーロ・円は、174円49銭から173円92銭まで下落。ポンド・ドルは1.2846ドルまで上昇後、1.2808ドルまで反落した。英中銀のハスケル金融政策委員会(MPC)委員が労働市場のひっ迫がインフレを高止まりさせ、来月の金融政策決定会合で金利据え置きを支持する姿勢を示したためポンド買いが優勢となった。ドル・スイスは0.8956フランへ弱含んだのち、0.8974フランまで上昇した。
■NY原油:続落で82.33ドル、戻り売りが勝る展開
NY原油先物8月限は続落(NYMEX原油8月限終値:82.33 ↓0.83)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-0.83ドルの82.33ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは82.08ドル-83.32ドル。アジア市場の序盤で83.32ドルまで買われたが、その後はじり安となった。米国市場の中盤にかけて一時82.86ドルまで反発したが、83ドル近辺で戻り売りの興味は残されており、通常取引終了後の時間外取引で82.08ドルまで下落。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 40.62ドル +0.21ドル(+0.51%)
モルガン・スタンレー(MS) 100.59ドル +1.00ドル(+1.00%)
ゴールドマン・サックス(GS)464.82ドル +0.07ドル(+0.01%)
インテル(INTC) 33.99ドル +1.97ドル(+6.15%)
アップル(AAPL) 227.82ドル +1.48ドル(+0.65%)
アルファベット(GOOG) 190.48ドル -1.48ドル(-0.77%)
メタ(META) 529.32ドル -10.59ドル(-1.96%)
キャタピラー(CAT) 329.06ドル +0.71ドル(+0.21%)
アルコア(AA) 41.66ドル -0.78ドル(-1.83%)
ウォルマート(WMT) 69.68ドル -0.36ドル(-0.51%)
《ST》