注目銘柄ダイジェスト(前場):SHIFT、MRO、トレファクなど
サイゼリヤ<7581>:5460円(-290円)
大幅反落。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は101億円で前年同期比2.8倍となり、好決算は想定線と言え、期待以上の数値であったとみられる。年間配当金も従来計画の18円から25円に引き上げ。一方、24年8月末からの株主優待制度廃止を発表しており、売り材料につながっているようだ。株主への公平な利益還元という観点を考慮したもよう。これまでは、100株以上を1年以上保有する株主に『食事券』2000円分を贈呈していた。
吉野家HD<9861>:2895.5円(-228.5円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は8.8億円で前年同期比38.6%減となり、上半期計画35億円、同12.2%減に対し、想定以上に減益幅が大きいとの見方になっているもよう。吉野家の既存店売上が計画比でやや伸び悩んでいるとみられるほか、中国中心に海外も低調。人件費、消耗品費、及びM&A費用などコストの増加なども響く形になっている。
SHIFT<3697>:11535円(-3720円)
大幅続落。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は70.6億円で前年同期比14.2%減となり、上半期実績の同7.8%減から一段と減益率が拡大する形になっている。据え置きの通期予想は0.3-26.2%の増益見通しであり、下振れへの懸念がより強まる格好のようだ。順調な採用に対し相対的に案件獲得が遅延し稼働率が低下したほか、積極的なM&Aの推進に伴いアドバイザリー費用など一過性のコスト計上もあったもよう。
トレファク<3093>:2003円(+185円)
大幅反発。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は13.5億円で前年同期比30.7%増となり、上半期計画は従来の15.3億円から17.9億円、同23.2%増に、通期では37.1億円から40.4億円、前期比20.7%増にそれぞれ上方修正している。第1四半期が計画を上回る進捗であったほか、第2四半期に入っても既存店売上は計画を上回る推移となっているようだ。年間配当金も従来計画の32円から34円、前期比6円増に引き上げている。
MRO<3064>:2099.5円(+255.5円)
大幅続伸。前日に6月の月次動向を発表している。売上高は前年同月比5.6%増となり、4月、5月の同2ケタ増から伸び率は縮小。ただ、営業日数は前年比で2日少なく、営業日1日当たりの売上高では同16.2%増となっており、4月の同9.8%増、5月の同11.9%増との比較で、実質的に売上は伸長している格好である。上半期の売上計画はほぼ計画線に達したものともみられる。
識学<7049>:525円(+28円)
年初来高値更新。10日の取引終了後、25年2月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比11.2%増の13億円3000万円、経常損益は1億1000万円の黒字(前年同期は1億4700万円の赤字)に浮上し、好材料視されている。24年4月より識学基本サービスの新規契約金額を月額20万円から月額30万円に値上げを実施した結果、識学基本サービス契約社数は横ばいだが売上は増加、広告宣伝費・マーケティング費を中心にコスト削減を実施したことも奏功した。
プログリット<9560>:1266円(+204円)
急騰。10日の取引終了後、24年8月期第3四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比49.2%増の31億7900万円、営業利益は同69.8%増の7億4400万円と大幅に増収増益となり、好感されている。第4四半期において、認知拡大に向けたマーケティング活動へ積極的な投資を計画しているが、その上で通期業績予想を超過する見通しとした。個人や企業の英語コーチング市場の拡大が追い風となっている。併せて、配当方針の変更と、従来無配としていた期末一括配当13円(見込み)を実施するとした。
坪田ラボ<4890>:524円(+50円)
年初来高値更新、一時ストップ高。9日、「パーキンソン病」に対するTLG-005(バイオレットライトメガネ)の安全性と有効性を評価した特定臨床研究結果及び「うつ病」に対するTLG-005の安全性と有効性を評価した特定臨床研究結果について発表し、10日ストップ高をつけていたが、引き続き材料視されているようだ。両研究において重篤な有害事象は認められず、有効性を示す結果が得られたとしている。この結果を受けて、同社は引き続き研究及び事業開発に取り組んでいく。
《ST》