<動意株・11日>(大引け)=丸運、EMシステム、識学など
丸運<9067>=上値追い鮮烈。5月下旬に急動意をみせ6月3日には年初来高値449円をつけたが、これは2006年以来約18年ぶりの高値圏となった。ENEOSホールディングス<5020>系の物流会社で液体輸送や貨物輸送に強みを持つが、業績は価格改定効果によって収益性が向上している。25年3月期営業利益は前期比65%増の8億4000万円と急拡大を見込んでいるが、PBRが0.5倍弱と株価は会社解散価値の半値水準に放置されており、これが見直される流れにある。今週8日には政策保有株として保有するタツタ電線<5809>の普通株式すべてを、ENEOS傘下のJX金属が実施する公開買い付けに応募し、2億2500万円の特別利益を計上する見込みであることを発表している。
イーエムシステムズ<4820>=後場強含む。11日正午、24年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結業績に関し、売上高が計画を3億4800万円上回る110億4400万円(前年同期比12.5%増)、最終利益が2億7600万円上回る10億5300万円(同33.5%増)で着地したようだと発表した。減益予想から一転して最終増益の見込みとなったほか、中間配当予想は2円増額の9円とし、これらを材料視した買いが入ったようだ。電子処方箋システムの導入が想定を上回る形で拡大した。通期の業績予想については現在精査中で、8月9日に予定する中間期の決算発表時に公表するとしている。
識学<7049>=続急伸。同社は10日の取引終了後、25年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比11.2%増の13億3000万円、経常損益は1億1000万円の黒字(前年同期は1億4700万円の赤字)となった。第1四半期ながら経常利益の通期計画に対する進捗率は66%に上り、業績の上振れを期待した買いが入ったようだ。主力の組織コンサルティング事業では、基本サービス契約社数が増加し、売上高が第1四半期としては過去最高となった。広告宣伝費やマーケティング費用を中心にコスト削減を実施したことも奏功。スポーツエンタテインメントも営業黒字を確保した。
MonotaRO<3064>=大幅高で一気に新高値。10日の取引終了後、6月度の月次業績を開示した。単体の売上高は前年同月比5.6%増の224億9300万円と、増収率は前月の17.4%から鈍化した。半面、営業日数が前年同月よりも2日少ないなかで増収基調を継続したほか、新規顧客獲得数も8万9200アカウントと堅調さを維持し、買い安心感が台頭。ショートカバーを誘発する形となり、マドを開けて上伸する格好となった。四半期末月の売り上げには海外ロイヤルティー収入を含む。
プログリット<9560>=急動意。10日取引終了後に23年9月~24年5月期好決算と初配当の実施を発表しており、これを好感した買いを集めている。9~5月期の売上高は前年同期比49.2%増の31億7900万円、営業利益は同69.8%増の7億4400万円だった。企業や個人の英語学習に対するニーズが追い風となった。各サービスの継続的な品質向上と改善に取り組んだほか、昨年12月にはスピーキングに特化した新サービス「スピフル」をローンチした。あわせて配当方針の変更と初配当の実施を発表。これまでは内部留保を充実させるため配当を行っていなかったが、成長投資を引き続き行いつつも継続的な利益還元を実施することが可能と判断した。配当性向30%程度を目安に年1回の期末配当を行う方針。今期配当は13円を見込んだ。
タカキュー<8166>=物色人気集中でストップ高。同社は紳士服を中心としたアパレル専門店を全国展開するが、近年の業績は赤字続きで厳しい経営環境を強いられていた。しかし、足もとで損益の回復色が鮮明となっている。同社が10日取引終了後に発表した25年2月期第1四半期(24年3~5月)決算は、営業利益が前年同期比44%増の2億100万円と大幅な伸びを示し通期計画を超過した。高機能商品のアイテム群が好調に推移したほか、カジュアル関連商品も売り上げを伸ばして全体業績に貢献した。また、新規春夏商品の既存店売上高も前年を上回って推移している。好決算が好感される形で投資資金を呼び込んでいる。
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