Jリース Research Memo(2):全国展開する賃料債務保証業界の専業大手

特集
2024年7月11日 16時02分

■会社概要

1. 会社概要と沿革

ジェイリース<7187>は、賃料債務保証業界の大手1社である。大分県で2004年に設立され、当初から地域に密着した賃料債務保証サービスを行い、宮崎、熊本と支店を増やし九州の基盤を固めてきた。2010年には、東京、新潟をはじめ東日本に進出し、全国の主要都市に拠点を拡げた(2024年3月時点で全国36店舗)。地域別売上構成比では長らく九州の比率が高かったものの、現在では関東が九州を上回っている。なお、同社の特長は、地域に密着したサービスの提供と多店舗展開であり、中小の不動産会社からの支持は厚く、26千件の不動産会社と協定を結ぶ。住居用賃料保証と事業用賃料保証の両市場でトップグループに入る稀有な企業である。新たに発表された3ヶ年経営計画では、保証領域を超えて「信用で人をつなぐ会社」を目指すことを宣言した。この方針のもと2024年4月には、エイビスをグループ化しIT・システムに事業領域を拡大した。

2016年6月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場、2018年3月には東証1部に昇格し、2022年4月の東証市場区分再編に伴いプライム市場へ移行した。2024年3月時点で賃料債務保証会社で唯一のプライム市場上場会社である。

2. 事業構成

同社の事業は、「保証関連事業」と「不動産関連事業」に分かれる。主力の「保証関連事業」は、賃貸不動産の入居予定者の連帯保証人の代わりに保証を引き受け、不動産オーナーに対して滞納時の代位弁済などにより安定的な賃料収入を保証する賃料債務保証サービスを主に提供している。売上構成比は96.6%(2024年3月期)、利益構成比は98.8%(同)を占める。保証の種類としては一般の賃貸マンションやアパートなどを対象とした住居用賃料保証と、店舗やオフィスを対象とした事業用賃料保証があるが、それぞれ商品内容のほか、与信審査手法や営業手法、債権管理手法が異なる。また、新規事業の医療費保証もこのセグメントに属する。一方、「不動産関連事業」は子会社あすみらいにおいて、外国人に対する賃貸住宅の提供、不動産物件の売買及び賃貸の仲介・管理を行う。売上構成比は3.4%(同)、利益構成比は1.2%(同)と規模は小さい。2025年3月期からは2024年4月のM&AによりIT・システム事業が計上される(2024年5月から連結開始、売上高で11億円規模の見通し)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《AS》

提供:フィスコ

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