11日の米国市場ダイジェスト:NYダウは32ドル高、CPI受けハイテクで利益確定売り
■NY株式:NYダウは32ドル高、CPI受けハイテクで利益確定売り
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は32.39ドル高の39,753.75ドル、ナスダックは364.04ポイント安の18,283.41で取引を終了した。
6月消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化進展の証拠となり利下げ期待に堅調に寄り付いた。金利動向に敏感な不動産などの回復でダウは終日堅調に推移したが、ナスダックはローテーションや材料出尽くし感に過去最高値付近から利益確定売りが先行し、終日軟調で推移し終盤にかけて下げ幅を拡大。相場はまちまちで終了した。セクター別では、耐久消費財・アパレル、不動産が上昇した一方、自動車・自動車部品が下落。
住宅建設会社のKBホーム(KBH)などは住宅ローン金利低下で、売り上げ増期待が強まり、上昇。製薬会社のファイザー(PFE)は同社の肥満治療薬の開発がさらに前進したことを明らかにし、上昇。高級電気自動車メーカーのルーシッド(LCID)はサウジの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)との長期にわたる提携に前向きな姿勢を最高経営責任者(CEO)が示し、上昇。
航空会社のデルタ(DAL)は業績下方修正が嫌気され、下落。加工食品メーカーのコナグラ・ブランズ(CAG)は四半期決算で売り上げが予想を下回り、下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はロボタクシーのイベントを8月から10月に延期することを発表し、下落。携帯端末のアップル(AAPL)はモバイルウォレット技術を巡る反競争法調査で、制裁金支払いを回避するため決済技術を競合にも開放することで欧州連合(EU)と和解したとの報道で売られた。
本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有するサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は雇用やインフレの最近のデータを踏まえると金利の調整が正当化される可能性が高いとの考えを示した。具体的な時期の言及はなかった。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米9月利下げ織り込みドル全面安、円安是正介入報道も
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は161円61銭から157円44銭まで下落し、158円87銭で引けた。米6月消費者物価(CPI)が予想外の鈍化を示したため連邦準備制度理事会(FRB)の9月利下げ観測が強まり日米金利差縮小観測にドル売り、円買いに拍車がかかった。日本当局の円安是正介入が円買いに一段と拍車をかけたとの思惑も強まった。
ユーロ・ドルは1.0844ドルから1.0900ドルまで上昇し、1.0867ドルで引けた。ユーロ・円は、175円43銭から171円58銭まで下落。日銀の円安是正介入の思惑に円買いが加速。ポンド・ドルは1.2868ドルから1.2949ドルまで上昇した。英国の5月国内総生産(GDP)の成長が予想の2倍の伸びとなりポンド買いが加速。ドル・スイスは0.8987フランから0.8915フランまで下落した。
■NY原油:続伸で82.62ドル、時間外取引で83.13ドルまで一段高
NY原油先物8月限は続伸(NYMEX原油8月限終値:82.62 ↑0.52)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+0.52ドルの82.62ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは81.63ドル-83.13ドル。ドル安や米長期金利の低下を意識した買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引で83.13ドルまで一段高となった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 41.81ドル +0.07ドル(+0.16%)
モルガン・スタンレー(MS) 104.64ドル +1.18ドル(+1.14%)
ゴールドマン・サックス(GS)479.23ドル +0.34ドル(+0.07%)
インテル(INTC) 33.50ドル -1.37ドル(-3.92%)
アップル(AAPL) 227.57ドル -5.41ドル(-2.32%)
アルファベット(GOOG) 187.30ドル -5.36ドル(-2.78%)
メタ(META) 512.70ドル -21.99ドル(-4.11%)
キャタピラー(CAT) 331.13ドル +2.65ドル(+0.80%)
アルコア(AA) 39.18ドル +0.72ドル(+1.87%)
ウォルマート(WMT) 69.80ドル -0.61ドル(-0.86%)
《ST》