注目銘柄ダイジェスト(前場):ローツェ、地主、ボードルアなど
地主<3252>:2348円(-389円)
大幅続落で下落率トップ。286万5300株の公募増資、70万株の自己株式処分、並びに、53万4700株を上限とするオーバーアロットメントによる売出の実施を発表している。現在の自己株式を除いた発行済み株式数は1655万5125株であるが、トータルすると、そのうちの24.8%に当たる水準となる。株式価値の希薄化が強く意識される展開になっているようだ。調達資金は、新たな開発用地の仕入れ資金に全額充当するもよう。
ローツェ<6323>:31500円(-3000円)
大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は87.5億円で前年同期比85.4%の大幅増益となっている。半導体・FPD関連装置事業の売上高が大きく拡大しているようだ。ただ、据え置きの上半期計画は173億円で同73.8%増であり、大幅増益決算へのサプライズは限定的にとどまっている。米SOX指数が3%超の下落となったことで、本日は半導体関連銘柄への売り圧力も強まっており、目先の出尽くし感を強めさせているもよう。
ニトリHD<9843>:17340円(+760円)
大幅続伸。前日のNY為替市場では、ドルに対して円が急騰し、一時1ドル=157円台半ばと3週間ぶりの高値水準となっている。米CPIの下振れに加えて、日本政府・日銀による為替介入観測なども浮上しており、短時間で4円程度の円高が進む形になった。つれて、円高メリットのコア銘柄と位置付けられる同社の買い材料につながっている。これまでの円安進行も背景に、足元で株価は安値圏推移が続いていた。
ファーストリテ<9983>:43500円(-1700円)
大幅反落。前日に第3四半期の決算を発表、3-5月期営業利益は1447億円で前年同期比31.2%増となり、通期予想は従来の4500億円から4750億円、前期比24.6%増に上方修正している。コンセンサスは従来会社計画線並みであり、想定以上の好決算と捉えられる。ただ、日経平均との連動性が高く、本日は株価指数の大幅安に引きずられる展開となっているようだ。また、足元の株価上昇で、月末の指数ウェイト調整に対する思惑も強まる形とみられる。
7&iHD<3382>:1817.5円(-122.5円)
大幅反落。前日に第1四半期の決算を発表している。営業利益は593億円で前年同期比27.6%減となり、市場予想を150億円程度下回るものとなっている。海外コンビニ事業が大幅減益となり、市場予想との乖離につながったとみられる。据え置きの上半期計画は2220億円、同7.9%減であり、6-8月期は一転増益に転じる前提となっている。下振れの可能性は高まったとの見方が強まっているようだ。
TKP<3479>:1614円(+100円)
大幅続伸。25年2月期業績予想の売上高を450億円から620億円(増減率37.8%増)へ、営業利益を73.5億円から82億円(同11.6%増)へ、純利益を51億円から55億円(同7.8%増)へ従来予想から上方修正し、好感されている。リリカラを連結子会社化した影響やノバレーゼを持ち分法適用会社化した影響を織り込んだ。なお、併せて発表した25年2月期第1四半期の売上高は前年同期比17.1%増の105.62億円、経常損益は同0.2%増で過去最高の17.62億円となった。
クリーマ<4017>:333円(-54円)
急落。11日の取引終了後に発表した25年2月期第1四半期の決算を嫌気した売りが出ている。売上高は前年同期比2.2%増の6億4400万円、営業利益は同26.8%増の1700万円だったが、前年同時期に営業外収益に計上されていたイベント関連の補助金収入が今期はないこともあり、経常利益は同44.4%減の1800万円に落ち込み、通期計画の1億2400万円に対する進捗率は14.5%にとどまった。ただ、通期業績予想は、着実な売上成長とコスト適正化を段階的に進めるとして前回予想を据え置いた。
ボードルア<4413>:4180円(+680円)
急騰。11日の取引終了後、25年2月期第1四半期決算を発表し、好感されている。売上収益は前年同期比39.6%増の23.39億円、営業利益は同64.2%増の4.5億円と大幅に拡大している。IT・DX関連のニーズが高まっていることから、IT投資需要は堅調に推移している。ITインフラストラクチャに特化した事業を展開する同社グループは、エンタープライズ顧客の拡大と深耕、先端技術分野へ注力しながら事業を推進している。
《ST》