ミロク情報 Research Memo(9):2025年3月期もサブスク型への移行を進めながら増収増益を目指す

特集
2024年7月12日 12時29分

■今後の見通し

2. 2025年3月期業績見通し

ミロク情報サービス<9928>の2025年3月期の連結業績は売上高で前期比3.5%増の45,500百万円、営業利益で同10.3%増の6,740百万円、経常利益で同7.0%増の6,750百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.7%増の4,440百万円と増収増益が続く見通し。ERP製品の販売形態が売切り型からサブスク型へ移行することを勘案して増収率は3.5%の計画にとどめ、ストック型収益の積み上げに取り組む方針としている。また、前期はインボイス制度の導入や改正電帳法の宥恕措置の終了なども新規需要の増加につながったことを考えると、前期と比較して増収率が鈍化するのは妥当な見方とも言える。

売上総利益率は前期から3.1ポイントの上昇を見込んでいるが、2021年にリリースした「MJSLINK DX」の償却が完了し、減価償却費が約8億円減少することやグループ子会社の損益が改善することが要因だ。販管費は引き続き人員増やベースアップによる人件費の増加を主因として同8.1%増を見込み、販管費比率は同2.0ポイント上昇するが、売上総利益率の改善により営業利益率は同0.9ポイント上昇する見通しだ。

(1) システム導入契約売上高

システム導入契約売上高は、売切り型からサブスク型への移行が加速することで前期比4.1%減の23,059百万円となる見通し。このうち、企業向けはDXコンサルティングなどソリューション営業を積極展開することで同1.4%減の13,178百万円と微減にとどまるが、会計事務所向けは売切り型製品のリプレース需要が一巡することで同13.5%減の6,342百万円と2ケタ減を見込む。また、その他(子会社売上、パートナー向け売上等)については、受託開発子会社やパートナー向け売上等が堅調に推移し同6.1%増の3,538百万円を見込む。なお、品目別売上計画はサブスク型への移行が影響しソフトウェアが同7.4%減の11,871百万円となるが、実勢に近いユースウェアについては同0.7%増の6,849百万円と堅調推移を見込んでいる。

(2) サービス収入

サービス収入は全体で前期比13.5%増の18,456百万円と2ケタ成長が続く見通し。主力ERP製品のサブスク型へのシフトによりソフト使用料が同34.4%増の7,612百万円と成長をけん引する。また、ソフト運用支援サービスが同1.5%増の6,033百万円、TVSが同0.3%増の2,570百万円と既存顧客向けを中心に堅調推移を見込んでいる。主力ERP製品のKPIについて見ると、サブスク契約社数が前年同期比28.5%増の4,100社、ARPUが同2.0%増の878千円、2025年3月時点のARRが同31.0%増の36億円とし、サブスク比率を前期の15.5%から20%台まで引き上げていくことを目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SO》

提供:フィスコ

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