値下がり数が上回るなかM7が上昇を牽引 (2) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】

市況
2024年7月12日 13時30分

○米国10年国債利回りは5月末の4.51%から4.39%に低下して月を終えました(2023年末は3.88%、2022年末も3.88%、2021年末は1.51%、2020年末は0.92%、2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは5月末の4.65%から4.55%に低下して取引を終えました(同4.04%、同3.97%、同1.91%、同1.65%、同2.30%、同3.02%、同3.05%)。

○英ポンドは5月末の1ポンド=1.2745ドルから1.2643ドルに下落し(同1.2742ドル、同1.2099ドル、同1.3525ドル、同1.3673ドル、同1.3253ドル、同1.2754ドル、同1.3498ドル)、ユーロは5月末の1ユーロ=1.0850ドルから1.0713ドルに下落しました(同1.0838ドル、同1.0703ドル、同1.1379ドル、同1.2182ドル、同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は5月末の1ドル=157.31円から160.94円に下落し(同141.02円、同132.21円、同115.08円、同103.24円、同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は5月末の1ドル=7.2042元から7.2673元に下落しました(同7.1132元、同6.9683元、同6.3599元、同6.6994元、同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。

○6月末の原油価格は5.6%上昇し、5月末の1バレル=77.22ドルから同81.51ドルとなりました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は6月に3.8%下落しました(現在1ガロン=3.557ドル、5月末は3.698ドル、2023年末は同3.238ドル、2022年末は同3.203ドル、2021年末は同3.375ドル)。2020年末から原油価格は68.3%上昇し(2020年末は1バレル=48.42ドル)、ガソリン価格は52.7%上昇しました(2020年末は1ガロン=2.330ドル)。

⇒2024年5月時点のEIAの報告によると、ガソリン価格の内訳は、54%が原油、18%が販売・マーケティング費、15%が精製コスト、14%が税金となっています。

○金価格は5月末の1トロイオンス=2350.00ドルから下落し、2335.50ドルで6月の取引を終えました(2023年末は2073.60ドル、2022年末は1829.80ドル、2021年末は1901.60ドル、2020年末は1520.00ドル、2019年末は1284.70ドル、2018年末は1305.00ドル)。

○VIX恐怖指数は5月末の12.92から12.44に下落して5月を終えました。月中の最高は14.31、最低は11.87でした(2022年末は21.67、2021年末は17.22、2020年末は22.75、2019年末は13.78、2018年末は16.12)。

⇒同指数の2023年の最高は30.81、最低は11.81でした。

⇒同指数の2022年の最高は38.89、最低は16.34でした。

⇒同指数の2021年の最高は37.51、最低は14.10でした。

⇒同指数の2020年の最高は85.47、最低は11.75でした。

○目標株価は引き続き上昇しています。S&P 500指数に対する市場関係者の1年後の目標株価は2023年11月から7ヵ月連続で上昇しており、現在値から9.4%上昇の5972となっています(5月末時点では11.6%上昇の5890、4月末時点では5766)。それ以前の目標値は、9ヵ月連続の低下から11ヵ月連続の上昇を経て、2023年11月まで2ヵ月連続で低下していました。ダウ平均の目標株価も3ヵ月連続の上昇から2ヵ月連続の低下を経て、6月は7ヵ月連続での上昇となり、現在値から10.3%上昇の4万3158ドルとなっています(5月末時点では12.0%上昇の4万2955ドル、4月末時点では4万2808ドル)。

●米国経済

○5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.3に上昇しました。事前予想は50.9でした。4月は当初発表の50.0から50.9に上方修正されました。

○5月のISM製造業景気指数は48.7に低下しました。事前予想では4月の49.2から49.8への上昇が見込まれていました。

○5月のサービス業PMIは予想通り54.8となり(速報値は51.8)、4月の51.3から上昇しました。

○5月のISM非製造業景気指数は予想を上回る53.7となりました。事前予想は4月の49.4から50.7への若干の上昇が見込まれていました。

○6月のPMI速報値は製造業が5月の51.3から51.7に上昇しました(市場予想では51.0への低下が見込まれていました)。サービス業は5月の54.8から55.1に上昇しました(53.7への低下が見込まれていました)。

○5月の消費者物価指数(CPI)は前月比変わらずでした。市場は同0.1%上昇を予想していました(4月は同0.3%上昇)。前年同月比は3.3%上昇となりました。事前予想は前月と変わらずの同3.4%上昇でした。食品とエネルギーを除いたコア指数は市場予想の前月比0.3%上昇に対して、同0.2%上昇となりました(4月は同0.3%上昇)。また、前年前月比は市場予想の3.5%上昇に対して、同3.4%上昇と4月の同3.6%上昇から伸び率が低下しました。

○5月の生産者物価指数(PPI)は市場予想の前月比0.1%上昇に対し、同0.2%低下となりました(4月は同0.5%上昇)。前年同月比では2.2%上昇となりました(4月は同2.3%上昇)。コアPPIは市場予想の前月比0.3%上昇に対して、同変わらずとなりました(4月は同0.5%上昇)。また、前年同月比では2.3%上昇となりました(4月は同2.4%上昇)。

○2024年第1四半期のGDP成長率確報値は事前予想通り前期比年率1.4%となりました。個人消費支出(PCE)は、市場予想の前期比年率2.0%増に対して同1.5%増となりました。

○2024年第1四半期の企業利益の確報値は前年同期比10.0%増となりました。

○5月の個人所得は前月比0.5%増となりました。事前予想は同0.4%増でした(4月は同0.3%増)。個人消費は市場予想の前月比0.3%増に対し、同0.2%増となりました。また、4月は当初発表の同0.2%増から同0.1%増に改定されました。

○5月のPCE価格指数は市場予想通り前月比変わらずとなりました(4月は同0.3%上昇)。前年同月比では2.6%上昇となり、4月の同2.7%を下回りました。

○4月の建設支出は市場が前月比0.2%増を見込んでいたのに対し、同0.1%減となりました(3月は同0.2%減)。前年同月比では10.0%増となりました。

○5月の小売売上高は前月比0.1%増となりました。事前予想は同0.3%増でした。

○2024年第1四半期の労働生産性の改定値は前期比年率0.2%上昇となり、速報値の同0.3%上昇から下方修正されました。単位労働コストは前期比年率4.0%上昇となり、速報値の同4.7%から下方修正されました。

○5月の鉱工業生産指数は市場予想の前月比0.3%上昇に対し、それを上回る同0.9%上昇となりました(4月は前月比変わらず)。設備稼働率は78.7%に上昇しました(市場予想は78.6%)。4月は当初発表の78.4%から78.2%に下方修正されました。

○4月の製造業受注は事前予想通り前月比0.7%増となりました。3月は当初発表の同1.6%増から同0.7%増に下方修正されました。

○5月の耐久財受注は市場予想の前月比変わらずに対し、同0.1%増となりました。4月は当初発表の同0.7%増から同0.2%増に下方修正されました。

○4月の卸売在庫は予想通り前月比0.2%増となりました。3月は同0.4%減でした。

○4月の企業在庫は予想通り前月比0.3%増となりました。3月は同0.1%減でした。

○5月の小売り在庫(速報値)は前月比0.7%増となりました。4月も同0.7%増でした。

○5月の卸売在庫(速報値)は事前予想が前月比0.3%増だったのに対し、同0.6%増となりました。4月は同0.2%増でした。

○4月の貿易収支の赤字額は746億ドルとなりました。3月は同686億ドルで、赤字額は拡大しました。

○5月の輸入物価指数は事前予想が前月比変わらずであったのに対し、同0.4%低下しました(4月は同0.9%上昇)。前年同月比では1.1%上昇となりました(4月から変わらず)。輸出物価指数は市場予想が前月比変わらずであったのに対し、同0.6%低下しました(4月は同0.6%上昇)。前年同月比では0.6%上昇となりました(4月は同0.9%低下)。

○5月の財の貿易収支は4月が980億ドルの赤字だったのに対し、1006億ドルの赤字となりました。

○6月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値は65.5となりました。市場予想は5月の69.1を上回る73.0でした。1年先のインフレ期待は前月比変わらずの3.3%でした。市場では3.2%に低下すると予想されていました。

⇒6月のミシガン大学消費者信頼感指数の確報値は68.2、1年先のインフレ期待は3.0%となりました。

○5月の景気先行指数は、市場予想が前月比0.3%低下だったのに対し、同0.5%の低下となりました。4月は同0.6%低下でした。

○民間調査機関コンファレンスボードが発表した6月の消費者信頼感指数は市場予想の100.0に対して100.4となり、5月の102.0から低下しました。

●雇用関係

○5月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想の18万2000人増を大幅に上回る27万2000人増となりました。4月は当初発表の17万5000増人から16万5000人増に下方修正されました(当初の4月の市場予想は24万3000人増)。

⇒5月の失業率は予想が前月比横ばいの3.9%だったのに対し、4.0%に上昇しました(3月は3.8%、2月も3.8%、1月と2023年12月、11月は3.7%、10月は3.9%、9月は3.8%でした。2020年2月は3.5%でしたが同年5月は13.3%となりました)。

⇒労働参加率は事前予想が62.7%の横ばいだったのに対し、62.5%に低下しました(3月は62.7%、2月、1月と2023年12月は62.5%、11月は62.8%、10月は62.7%、9月は62.8%)。

⇒5月の週平均労働時間は予想通り4月から変わらずの34.3時間となりました(3月は34.4時間、2月は34.3時間、1月は34.2時間、2023年12月は34.3時間、11月は34.4時間、10月は34.3時間、9月は34.4時間)。

⇒5月の平均時給は前月比0.4%増となりました(前月の34.75ドルから34.91ドルに増加)。市場予想は4月の同0.2%増を上回る同0.3%増でした(3月は同0.3%増、2月は同0.2%増、1月は同0.5%増、2023年12月、11月は同0.4%増、10月は同0.2%増、9月は同0.3%増)。

→前年同月比では4.1%増に上昇しました。また、4月は当初発表の同3.9%増から同4.0%増に上方修正されました(3月は同4.1%増、2月は同4.3%増、1月は同4.4%増、2023年12月は同4.0%増、11月は同4.0%増、10月は同4.0%増、9月は同4.2%増)。

○4月のJOLTS(求人労働異動調査)によると、求人数は805万9000人(市場予想は840万人)でした。3月は835万5000人でした。

○失業保険継続需給件数(季節調整済み)は、前月の179万1000件から183万9000件に増加しました。

⇒2024年6月5日発表の週間新規失業保険申請件数:22万9000件(当初発表の通り)

⇒2024年6月12日発表の週間新規失業保険申請件数:24万2000件

⇒2024年6月19日発表の週間新規失業保険申請件数:23万8000件

⇒2024年6月26日発表の週間新規失業保険申請件数:23万3000件

※「値下がり数が上回るなかM7が上昇を牽引 (3)」へ続く

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