話題株ピックアップ【夕刊】(2):TKP、住友不、コーセル
■ティーケーピー <3479> 1,574円 +60 円 (+4.0%) 本日終値
ティーケーピー<3479>が大幅高で5連騰。11日の取引終了後、25年2月期の連結業績予想について、売上高を450億円から620億円(前期比69.7%増)へ、営業利益を73億5000万円から82億円(同77.5%増)へ、純利益を51億円から55億円(同21.2%減)へ上方修正した。発表を好感した買いが集まったようだ。リリカラ<9827>を連結子会社化した影響や、ノバレーゼ<9160>を持ち分法適用会社化した影響を織り込んだ。なお、同時に発表した第1四半期(3~5月)決算は、売上高105億6200万円(前年同期比17.1%増)、営業利益16億9200万円(同3.1%減)、純利益18億7300万円(同59.5%減)だった。
■住友不動産 <8830> 5,086円 +190 円 (+3.9%) 本日終値
住友不動産<8830>が一時5%を超える上昇で5000円台を大きく回復したのをはじめ、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>など大手不動産株が全般急落相場に逆行して買いを集めている。きょうは指数寄与度の高い時価総額の大きい銘柄を中心に売りがかさんでいるが、大型株でも内需系の銘柄には強いものが目立つ。特に「不動産」は投資資金のシフトが目立ち、業種別上昇率で断トツとなっている。「米国では6月の消費者物価指数(CPI)の発表を受け、FRBが9月に利下げを実施するとの見方が一段と強まっており、国内でもFRBの動きを横目に日銀が追加利上げを急ぐ蓋然性が低下している」(中堅証券アナリスト)という。不動産セクターは有利子負債負担や調達コスト面で金利の影響を大きく受けるが、足もと日米での金利上昇懸念に歯止めがかかっていることから追い風が意識されているもようだ。
■コーセル <6905> 1,276円 +40 円 (+3.2%) 本日終値
コーセル<6905>が大幅続伸。11日の取引終了後、配当方針の変更を発表した。配当性向35%をメドとした株主還元を行うとするこれまでの方針を見直し、株主資本配当率(DOE)3.5%をメドとした継続的・安定的な配当を行うことを基本方針とした。更に、今年4月に資本・業務提携契約の締結を発表した台湾のLITE-ON TECHNOLOGY社に対する第三者割当増資と自己株式処分に関し、払い込みが完了したことに伴い、未定としていた25年5月期の年間配当予想を前期比1円増配の55円に設定した。業績の変動に配当額が左右されにくいDOEの採用と、増配計画を好感した買いが入ったようだ。
■八洲電機 <3153> 1,823円 +50 円 (+2.8%) 本日終値
八洲電機<3153>が全般急落相場に抗して続伸。日立系の電気機器商社で、空調設備や照明、受変電システムなど幅広く展開する。データセンター建設需要が高まるなか、同関連の空調や電力設備需要を捉え、業績は好調を極めている。営業利益は24年3月期に前の期比4割増で38億9400万円と急拡大、過去最高を更新したが、続く25年3月期も前期比8%増の42億円予想とピーク利益更新が続く見通し。株価は5日移動平均線を足場に切り返し急。きょうは一時57円高の1830円と6月27日につけた上場来高値1860円奪回まであと30円に迫り、青空圏突入を視界に入れている。
■近鉄百貨店 <8244> 2,323円 +58 円 (+2.6%) 本日終値
近鉄百貨店<8244>が3日続伸した。11日の取引終了後、25年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の上方修正を発表した。売上高予想を10億円増額し1160億円(前期比2.2%増)、最終利益予想を4億円増額し34億円(同22.4%増)に見直しており、好感されたようだ。訪日外国人客の増加により免税売り上げが好調に推移した第1四半期の実績を踏まえた。第1四半期の売上高は前年同期比4.0%増の276億2200万円、最終利益は同4.4倍の7億8900万円だった。
■キャンドゥ <2698> 3,595円 +70 円 (+2.0%) 本日終値
キャンドゥ<2698>は上昇し、年初来高値を更新した。同社は11日取引終了後、25年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比22.6%増の3億1100万円となり、通期計画4億5000万円に対する進捗率は69.1%に達した。売上高は同5.0%増の209億2000万円で着地。直営既存店が客単価・客数ともに好調だったほか、全社ベースでも出店数の増加などから堅調だった。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■地主 <3252> 2,310円 -427 円 (-15.6%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
地主<3252>は急落。11日の取引終了後、286万5300株の新株式発行と70万株の自己株式処分、上限53万4700株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表。株式需給の悪化を懸念した売りが出た。発行価格や処分価格は23日から26日までのいずれかの日に決定する。調達資金約106億円(手取り概算額)は新たな開発用地の仕入れ資金に充てる。
■ヴレインS <135A> 3,080円 -280 円 (-8.3%) 本日終値
VRAIN Solution<135A>が急反落。11日取引終了後に3~5月期単独決算を発表し、売上高は3億6600万円、営業利益は6300万円だった。前年同期に四半期財務諸表を作成していないため増減率はないが、あわせて開示した決算説明資料によると24.5%増収・営業42.0%減益という。大幅減益を嫌気した売りを誘ったようだ。取引社数や既存顧客へのリピート販売が堅調に推移したことで売上高は増加、一方、新たな案件に取り組んだことで売上原価が増加したほか、人材投資を強化したこともあり、利益は押し下げられた。なお、通期の増収増益見通しは据え置いた。
■セブン&アイ <3382> 1,814円 -126 円 (-6.5%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
セブン&アイ・ホールディングス<3382>が大幅安。約半年ぶりに年初来安値を更新した。11日取引終了後に3~5月期連結決算を発表し、売上高が前年同期比3.2%増の2兆7347億円、営業利益が同27.6%減の593億4400万円だった。減益を嫌気した売りが出た。主力の海外コンビニ事業で増収を確保した一方、営業利益が大幅減となり、全体の利益にも響いた。国内コンビニ事業は小幅に減収減益。イトーヨーカ堂を含むスーパーストア事業も冴えなかった。
■東京エレクトロン <8035> 35,700円 -2,350 円 (-6.2%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連大手がウリ気配スタートで大きく下値を探る展開を強いられている。前日の米国株市場ではハイテク株に利益確定売りがかさむ展開となり、特に半導体関連セクターの下げが顕著となった。エヌビディア<NVDA>やアプライド・マテリアルズ<AMAT>などが大幅安となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が3.5%安と急落。これを受けて、東京市場でも同関連株に対する売りを誘発している。外国為替市場では、足もとドルが買い戻されているとはいえ、一時1ドル=157円台まで一気に円高に振れたことも逆風材料となっている。
株探ニュース