バイデン大統領への撤退圧力さらに高まる オバマ氏も懸念表明と伝わる
バイデン大統領に対して、選挙戦からの撤退を求める圧力が一段と鮮明になってきた。バイデン大統領のアドバイザーは、新型ウイルスに感染したものの、大統領は元気だと記者団に語った。だが、民主党の幹部議員からの撤退要求は一段と強まっており、バイデン大統領の選挙運動は、散々なパフォーマンスとなったTV討論会以降で最悪の状況に立たされている。
共和党の大統領候補指名を受けたトランプ前大統領の受諾演説を前に米政界では、バイデン大統領が身を引くのかどうか、撤退の場合はいつどのように行うのかを巡る議論が渦巻いている。バイデン陣営は、大統領の決意は揺らいでいないと、選挙戦を継続する姿勢を崩していないが、党内の圧力は高まる一方だ。
民主党のヒッケンルーパー上院議員(コロラド州)がバイデン大統領の撤退の可能性について問われると、「それは大統領が決めることだが、そうすることが米国の利益にかなうとの見方が増えてきているのは確かだ」と述べていた。また、ワシントン・ポストによると、オバマ元大統領はバイデン氏の勝利への道は大きく遠のいたと周辺に語ったという。オバマ氏はバイデン大統領が候補者としての自身の能力を真剣に考慮する必要があると考えており、バイデン大統領の選挙戦の将来を巡る協議について内々に関与しているという。
オバマ氏は自身の主要な役割はバイデン大統領の相談役だと考えており、政権の実績を擁護し続けている。とはいえ、今回の報道は苦境に立たされているバイデン陣営にとっては大きな痛手であり、民主党幹部の間で撤退圧力が強まっていることを物語っている。