グローバルスタイル:高品質かつ低価格のオーダースーツ展開
グローバルスタイル<7126>は、メンズ、レディースのオーダースーツ及びオーダーシャツ等の企画・販売を行う。
全国の政令指定都市および大都市近郊エリアへの積極的な出店を実施しており、現在は国内で39店舗を展開している。プライベートフィッティングルーム(個室)を設置する「GINZA Global Style」業態を中心に、店内にウェイティングカフェを併設した「GINZA Global Style COMFORT」業態も積極展開。レディスオーダースーツでは「GINZA Global Style Ladies」ブランドを立ち上げている。また、「GSオンラインオーダーサービス」では、2024年6月時点でGSアプリ倶楽部会員39.1万人、GS倶楽部会員15.8万人と堅調に増加している。概ね6カ月前に仕入計画を実行するが、生地仕入の主な輸入先はイタリアで、直接輸入取引については大部分がユーロ建となる。
24年7月期第3四半期累計の売上高は前年同期比6.8%増の8,375百万円、営業利益は同21.2%減の436百万円で着地した。新規出店による増収効果があった一方で、円安による仕入原価上昇、新規出店に伴う人件費・地代家賃等の経費が増加して営業減益となった。24年7月期の売上高は前期比17.1%増の12,183百万円、営業利益は同12.8%増の744百万円と増収増益見通し。
同社は、高感度で高品質かつ低価格から中価格のお買い得感のあるオーダースーツを展開しており、1着当たり税抜きで24,000円から100,000円未満で提供している。顧客層は20~30代が約55%、40代以降の大人世代が約45%と若年層の割合が大きい。生地バリエーションは業界最多水準で顧客は約 5,000 種類の生地から選べる。また、デザインの種類が他社に比べると豊富で、業界では通常数パターンのデザインとされているが同社では数十パターンも選べる。上場企業での競合は存在せず、1着当たり数十万円を超える「フルオーダー」を行っている「銀座英國屋」や「壹番館洋服店」とはターゲット層が異なる。
今後は、大都市近郊エリアのほかに郊外型の店舗を含めるとまだまだ出店余地がありそうだ。オーダースーツ市場の拡大が見込まれるなか、円安による仕入原価増加への対応やさらなる認知度向上が必要になってくるが、同社は既に業界におけるSPAモデルを確立している。競合優位性を有している同社の業績は、店舗拡大とともに中期的に1桁成長が続く可能性があろう。
《NH》