クオールHD Research Memo(9):2027年3月期に売上高3,072億円、営業利益240億円を目指す

特集
2024年7月30日 15時39分

■中期業績目標と成長戦略

1. 中期業績目標

クオールホールディングス<3034>は2027年3月期までの3ヶ年の中期業績目標を発表した。医薬品の研究開発(アポプラスステーション)から製造販売(第一三共エスファ、藤永製薬)、医療系人材サービス(アポポラスステーション、オンコール)、調剤薬局(クオール)までをカバーする総合ヘルスケアカンパニーとして経営基盤の強化を図りながら持続的な成長を目指す。

業績目標値としては2027年3月期に売上高3,072億円、営業利益240億円を設定した。2025年3月期計画を基準にすると売上高は年率6.7%成長、営業利益は26.5%成長となり、今後グループシナジーを高め各事業において収益性向上を図りながら、業績を拡大していくことになる。従前の3ヶ年計画では2026年3月期に売上高3,000億円、営業利益250億円を目標としていたため、収益拡大ペースが1年先送りされた格好だが、これは第一三共エスファの業績計画を、前期の実績を踏まえて見直したことが主因となっている。薬局事業やBPO事業については、従前の成長ペースから大きく乖離していない。

事業セグメント別の2027年3月期業績目標を見ると、薬局事業では質の向上に取り組むことで年率4%以上の売上成長と40億円規模の収益性改善を実現し、売上高で1,871億円、営業利益で116億円を目指す。BPO事業ではオーガニック成長で年率10%の増収増益を計画しているほか、M&A効果(売上高16億円、営業利益1.6億円)を織り込み、売上高で205億円、営業利益で26億円を目指す。製薬事業では第一三共エスファの成長により、売上高で1,031億円、営業利益で126億円を目標に掲げた。収益性の高い第一三共エスファの事業構成比が高まることで、全体の営業利益率は2025年3月期見込みの5.6%から2027年3月期は7.8%に上昇することになる。

2025年3月期を起点として2年間の営業利益増加額を見ると全体で90億円の増益となり、そのうちの6割を製薬事業の成長と見込んでいる。このため、業績目標の達成は第一三共エスファがカギを握っているとも言え、今後の動向が注目される。後発医薬品に関してはここ1?2年、供給不足が続くなかで、業界再編の見直し機運も高まっているが、第一三共エスファは後発医薬品で国内第3位の売上規模となる大手であることから、マイナスの影響を受ける可能性は低いと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.