メルクが決算受け下落 キートルーダは好調も1株利益の見通し下方修正=米国株個別
(NY時間09:39)(日本時間22:39)
メルク<MRK> 120.55(-7.23 -5.66%)
メルク<MRK>が下落。取引開始前に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。主力薬のキートルーダが引き続きがん治療薬市場を席巻し好調だった。ただ、株価は冴えない反応。通期の1株利益の見通しを下方修正したことが嫌気されている模様。売上高は上方修正したものの予想は下回っている。
キイトルーダが引き続きがん治療薬市場を席巻し、ウォール街の予想を上回っている。しかし、キイトルーダは今後10年、価格圧力に直面することから、同社は新たな成長源を見つけようと巨額の費用を費やしてきた。
同社は昨年、自己免疫疾患の治療薬メーカーであるプロメテウス・バイオサイエンシズ社に110億ドル近くを投じ、第一三共<4568>とは新規がん治療薬の共同開発で220億ドルの契約を結んだ。
同社の次なるブロックバスターは、3月に承認された希少な高血圧治療薬「ウィンレベア」であろう。2021年に同社がアクセロン・ファーマ社を110億ドルで買収した際に獲得したこの薬剤は、米国市場での最初の四半期で7000万ドルを売り上げ、市場の予想を上回った。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益(調整後):2.28ドル(予想:2.17ドル)
・売上高:161.1億ドル 7.2%増(予想:158.6億ドル)
キイトルーダ:72.7億ドル 16%増(予想:71.5億ドル)
ラゲブリオ:1.10億ドル(予想:0.85億ドル)
リンパーザ:3.17億ドル(予想:3.22億ドル)
ガーダシル:24.8億ドル(予想:25.0億ドル)
ポロクアッド/MMR-II/バリバックス:6.17億ドル(予想:6.11億ドル)
レンビマ:2.49億ドル(予想:2.63億ドル)
動物ヘルス:14.8億ドル(予想:15.0億ドル)
ブリディオン:4.55億ドル(予想:4.50億ドル)
・粗利益率(調整後):80.9%(予想:80.8%)
・研究開発費(調整後):35億ドル 74%減(予想:34.9億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):7.94~8.04ドル(従来:8.53~8.65ドル)
・売上高:634~644億ドル(従来:631~643億ドル)(予想:642.7億ドル)
・粗利益率(調整後):約81%(予想:80.9%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース