31日の株式相場見通し=大幅に売り先行、日銀の利上げ観測でリスクオフ
31日の東京株式市場は荒れた展開となることが予想される。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、ドイツ、フランスなど主要国の株価指数は高く引けた。しかし、上げ幅は限定的で模様眺め感が強い。一方、米国株市場ではNYダウは反発したものの、ハイテク株に売りが目立つ地合いとなり、ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落、下落率も約1.3%に達した。FOMCを目前に控えるなか、FRBによる9月利下げの可能性が改めて意識されるなか、米国経済のハードランディングが回避されるとの見方から景気敏感株中心に買いが優勢となった。しかし、決算発表絡みでダウ構成銘柄の一角が売り込まれ、ダウもマイナス圏で推移する場面があった。なお、半導体関連は画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が急落するなど波乱含みで、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が3.9%安と大きく水準を切り下げている。東京市場では、米ハイテク株安の影響を受けやすいほか、きょう結果が発表される日銀の金融政策決定会合で、国債買い入れの減額と合わせて、追加利上げを決定するとの見方も急速に高まるなか、朝方は大きく売りが先行しそうだ。外国為替市場では1ドル=153円台を割り込むなど急速に円高方向に傾いており、リスクオフの地合いを助長する。仮に日銀が利上げを決定すれば、日経平均は先物主導で3万8000円台を大幅に割り込む可能性がある。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比203ドル40セント高の4万743ドル33セントと反発。ナスダック総合株価指数は同222.784ポイント安の1万7147.417だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の結果発表と植田日銀総裁の記者会見が注目される。また、6月の鉱工業生産速報値、6月の商業動態統計、6月の建機出荷、6月の自動車輸出実績、6月の住宅着工統計、7月の消費動向調査、7月の為替介入実績など。海外では7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、7月の中国非製造業PMI、4~6月期香港GDP、4~6月期台湾GDP、6月の豪小売売上高、7月の独失業率、7月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、ブラジル中銀の政策金利発表、7月のADP全米雇用リポート、4~6月期米雇用コスト指数、7月の米シカゴPMI、6月の米仮契約住宅販売指数、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見など。