クアルコム、好決算も株価下落 スマホ市場の回復ペースが期待よりも鈍いとの評価=米国株個別
(NY時間09:39)(日本時間22:39)
クアルコム<QCOM> 173.10(-7.86 -4.34%)
携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が下落。前日引け後に4-6月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。第4四半期のガイダンスも公表し、予想を上回る見通しを示している。
今回の決算は携帯需要が回復していることを示唆しており、スマホ業界が低迷から脱しつつあることを示している。同社は携帯端末の主要機能を担うプロセッサーと無線チップの最大手メーカー。そのため、同社はエレクトロニクスの最大市場のひとつを占う重要な存在となっている。
同社は声明で「今年下半期の世界のスマホ需要の急激な上昇について楽観的な見方が強まっている」と述べた。携帯電話メーカーは中国の消費回復に助けられており、同社のような部品メーカーへの注文を増やしている。アモンCEOの下、PCや自動車への製品投入を進めているが、スマホ市場は依然として同社の売上の大部分を占めている。
決算発表後に時間外で株価は一旦上昇していたものの、下げに転じている。スマホ市場の回復ペースが期待よりも鈍いとの評価が出ている。同社が「下降局面が長く続いた携帯の回復ペースは緩やか」との認識を示したことが嫌気されている模様。アモンCEOが、今年は横ばいないし、10%未満の伸びに留まると見通しに言及していた。
(4-6月・第3四半期)
・1株利益(調整後):2.33ドル(予想:2.24ドル)
・売上高:93.9億ドル 11%増(予想:92.1億ドル)
・QCT:80.7億ドル(予想:78.8億ドル)
・QTL:12.7億ドル(予想:13.1億ドル)
・IoT:13.6億ドル(予想:13.7億ドル)
・携帯端末:59.0億ドル(予想:58.8億ドル)
・自動車機器:8.11億ドル(予想:6.63億ドル)
・営業利益(調整後):30.2億ドル(予想:29.5億ドル)
(7-9月・第4四半期見通し)
・1株利益(調整後):2.45~2.65ドル(予想:2.45ドル)
・売上高:95~103億ドル(予想:97億ドル)
・QCT:81~87億ドル(予想:83.5億ドル)
・QTL:13.5~15.5億ドル(予想:13.5億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース