株価指数先物【寄り前】 52週線割れで、押し目狙いのロングのタイミングを探る

市況
2024年8月5日 8時10分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 34800 -1120 (-3.11%)

TOPIX先物 2452.5 -90.0 (-3.53%)

シカゴ日経平均先物 34950 -970

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

2日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。7月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比11万4000人増加と、予想(17万5000人増程度)を下回った。この結果を受けて9月利下げ開始の見方が強まった一方で、景気後退(リセッション)入りが警戒された。幅広い銘柄に売りが広がり、NYダウの下落幅は一時900ドルを超えた。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、小売、銀行、自動車・同部品が下落。

シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比970円安の3万4950円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比150円安の3万5770円で始まり、寄り付き直後に付けた3万5790円を高値に、米国市場の取引開始直前には3万5000円を割り込んだ。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、一時3万4350円まで下落幅を広げた。売り一巡後はやや下落幅を縮め、3万4800円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢で始まりそうだ。2日の日中取引で2030円安となり、52週移動平均線(3万5700円)に接近し下げ止まりが期待されたが、ナイトセッションであっさり同線を割り込んできた。週足のボリンジャーバンドの-2σ(3万5220円)を下回っており、-3σが位置する3万3530円水準へのバイアスが強まる展開が警戒されそうである。シグナルとしては売られ過ぎが意識されるものの、バンドは拡大傾向をみせており、バンドの切り下がりに沿ったトレンド形成の可能性があるため、押し目狙いのロングは慎重になりそうだ。

また、海外勢による持ち高圧縮の動きが強まっているとみられるが、先週後半からの記録的な下落によってダブルインバースなどのヘッジ対応のショートも膨らんでいるため、より下へのバイアスが強まりやすい。米国では景気後退懸念が高まってきているほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>が売上高見通しが予想に届かなかったとして8%超下落するなど、決算が振るわなかった企業の売りが重荷となっている。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ<BRK>が4-6月期にアップル<AAPL>の保有株式数を半減させたことがわかったと報じられた。また、エヌビディア<NVDA>は次期AI半導体の発売が設計上の不備で遅れる見込みだと、関係筋の話として報じられている。1日に予想を下回る決算と人員削減を発表したインテル<INTC>の下落率は26%を超える急落となった。これまで相場を牽引してきたAIブームが終焉を迎えるといった見方が強まるようだと、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への売りが強まる可能性もありそうだ。

ただし、急ピッチの下落に対する売られ過ぎ感のほか、先週後半の東証プライムの売買代金は連日で6兆円を超えていた。ポジション圧縮の動きが集中した形であり、そのピーク感が高まってくることも考えられる。日経225先物は下へのバイアスが強まる展開を警戒しつつ、押し目狙いのロングのタイミングを探ることになるだろう。底堅さを見極め、短期的には52週線水準を意識されそうである。そのため、オプション権利行使価格の3万3750円から3万5750円のレンジを想定する。

先週末のNT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇した。25日、75日線が位置する14.09倍水準を上回り、一時200日線が位置する14.18倍まで切り上がる場面もみられた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の弱い値動きが日経平均型の重荷となったが、東証プライムの値下がり数が連日で9割を超える全面安商状のため、相対的にTOPIX型のマイナスの影響が大きかった。今週はAI関連などハイテク株の動向が注目されるなか、ナスダック指数が26週線(1万6700ポイント)水準を支持線としたリバウンドをみせられないと、ややNTショートに振れやすくなる可能性がある。

2日のVIX指数は23.39(前日は18.59)に上昇した。4月19日の直近高値21.36を上抜け、一時29.66まで上昇する場面もみられた。2022年10月以来の水準まで上昇しており、20.00を上回る水準で推移が続くと、リスク回避姿勢が高まりやすいとみられる。

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