話題株ピックアップ【夕刊】(1):アバントG、タキロンCI、東エレク
■アバントグループ <3836> 1,426円 +205 円 (+16.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
アバントグループ<3836>が波乱相場の間隙を縫って急反騰、前営業日比21%高の1479円まで値を飛ばす場面があり、前週末の急落分を大きく上回る戻り足をみせている。企業の連結会計ソフトの開発を手掛けるが、業績は急拡大路線を走っており、2日に発表した24年6月期決算は営業利益が前の期比25%増の40億9900万円と過去最高利益を大幅に更新した。続く25年6月期は前期比20%増の49億円予想と急成長が続く見通し。好業績を背景に株主還元も強化し、今期年間配当は前期実績に6円増配となる25円を計画する。これらを評価する形で投資資金を呼び込んだ。
■タキロンシーアイ <4215> 895円 +102 円 (+12.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
タキロンシーアイ<4215>が後場に急伸。同社を巡っては5日に決算を開示すると伝わっていた。通例では午後2時に適時開示を行っていた同社だが、同時刻に決算発表がなかった。これを受けて、引け後に大きな株高材料が発表されるとの思惑が個人投資家を中心に台頭し、買いを誘う格好となったようだ。
■亀田製菓 <2220> 4,265円 +120 円 (+2.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
亀田製菓<2220>が大幅高で3日ぶりに反発。前週末2日の取引終了後、25年3月期の連結業績予想について、売上高を1000億円から1020億円(前期比6.8%増)へ、営業利益を45億円から50億円(同11.9%増)へ、純利益を29億円から38億円(同68.4%増)へ上方修正したことが好感された。国内米菓事業の収益性改善に向けた取り組みが想定以上の成果を上げていることに加えて、食品事業における長期保存食の需要が好調に推移していることが業績を押し上げるとしている。なお、第1四半期(4~6月)決算は、売上高240億6600万円(前年同期比8.3%増)、営業利益10億7400万円(同53.5%増)、純利益11億9100万円(同49.3%増)となった。前期に実施した商品の価格改定・規格変更の効果などで国内米菓事業が好調に推移したことが牽引した。
■JMDC <4483> 3,066円 +53 円 (+1.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
JMDC<4483>が5日ぶりに反発。前週末2日の取引終了後に発表した7~9月期業績予想で、売上高102億7700万円(前年同期比45.8%増)、営業利益17億1000万円(同61.9%増)と大幅増収増益を見込むと発表したことが好感された。ヘルスビックデータの事業領域の拡大により、売上高・利益ともに例年以上に力強い成長となる見込みとしている。同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高84億2200万円(前年同期比25.7%増)、営業利益10億8900万円(同57.2%減)と大幅減益となった。前年同期に子会社譲渡及び子会社役員退職慰労引当金の戻入があった反動が大きく、その影響を除くと、38%増収、20%営業増益となったという。ヘルスビックデータセグメントの高成長と、遠隔医療セグメントの安定的な収益貢献が寄与した。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高430億円(前期比32.8%増)、営業利益93億円(同32.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■日本セラミック <6929> 2,344円 +14 円 (+0.6%) 本日終値
日本セラミック<6929>が3日ぶりに反発。前週末2日の取引終了後、上限を50万株(発行済み株数の2.19%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は8月5日から10月31日までで、ROEなどの資本効率の向上や経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行、株主への利益還元の充実を目的としているという。同時に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算は、売上高121億3100万円(前年同期比2.0%増)、営業利益22億4900万円(同1.1%増)、純利益20億2400万円(同3.2%増)となった。環境対応車向け製品が市場鈍化の影響により減収となったほか、モジュールの家電・照明向け製品が顧客の在庫調整の影響により低調に推移したものの、ADAS向け車載安全製品が堅調に推移したことや円安の影響により増収増益となった。なお、24年12月期通期業績予想は、売上高260億円(前期比6.3%増)、営業利益50億円(同9.3%増)、純利益39億円(同5.6%増)の従来見通しを据え置いている。
■日本光電 <6849> 1,595.5円 -500 円 (-23.9%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率4位
日本光電<6849>はストップ安。前週末2日取引終了後、4~9月期連結業績予想について売上高を1040億円から1020億円(前年同期比1.4%減)へ、営業利益を70億円から30億円(同59.9%減)へ下方修正すると発表。これを嫌気した売りが出ている。当初の想定よりも大学や官公立病院の予算執行が下期偏重にあること、私立病院で設備投資に慎重な動きが見られることが要因。また、中国が引き続き低調に推移することも響く見込み。
■日経レバ <1570> 18,885円 -5,000 円 (-20.9%) ストップ安 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>がストップ安。前週末は日経平均が2200円あまりの記録的な下げを示し、他のアジア株もほぼ全面安商状、欧州時間に入ってもリスクオフの流れは止まらず一斉安の展開となった。更に米国では景気後退への懸念からNYダウが一時約1000ドル安まで売り込まれる場面があり、ナスダック総合株価指数も大幅続落し、2営業日合計で820ポイントあまりの暴落となっている。株安の連鎖が続くなか、きょうの東京市場でも下値模索の動きが止まらず、加速的に進む為替の円高を横目に日経平均は3万5000円を一気に割り込む可能性も意識される状況。日経平均連動型でハイボラティリティに組成された日経レバもこれに追随する形で下値を摸索、価格変動率が日経平均の2倍に基本設定されていることもあり、2万3000円割れではとどまらず、2万2000円台攻防となる可能性が意識される。
■東京エレクトロン <8035> 22,055円 -5,000 円 (-18.5%) ストップ安 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連は軒並み急落、ディスコ<6146>は一時7000円安と暴落する場面もあった。世界同時株安のなか、東京市場でも前週末に続き日経平均が2000円を超える急落に見舞われ、3万4000円台を一気に下回った。特に米国株市場で半導体関連株への売りが加速しており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5%超下落、個別にインテル<INTC>は26%安と記録的な下落をみせ、そのリスクオフの流れが東京市場を直撃している。外国為替市場で急激な円高が進行していることや、中東の地政学リスクも加わり、個人投資家の追い証発生が相次ぐなかで投げ売りを誘発している。
■IDEC <6652> 2,258円 -500 円 (-18.1%) ストップ安 本日終値
2日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は76%減益で着地」が嫌気された。
IDEC <6652> [東証P] が8月2日大引け後(15:00)に決算を発表。25年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比75.6%減の4.9億円に大きく落ち込み、通期計画の52億円に対する進捗率は9.5%にとどまり、5年平均の24.0%も下回った。
■三菱UFJ <8306> 1,245.5円 -270.5 円 (-17.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>の下落率が一時20%を超えた。三井住友フィナンシャルグループ<8316>はストップ安の水準に売られる場面があり、メガバンクが急落している。前週末2日に発表された7月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回り、失業率が前月から上昇した。米国景気の先行き懸念が強まるなかで、米長期金利は一時3.78%とおよそ7カ月ぶりの水準に急低下した。週明け5日の日本の長期金利も急低下している。日銀の利上げで国内の短期金利が上昇するなか、短期市場で資金を調達して長期で運用する銀行のビジネスモデルにおいて足もとの金利の動きは逆風そのものであり、銀行株に対する売り圧力が強まっている。七十七銀行<8341>や八十二銀行<8359>、北洋銀行<8524>もストップ安となった。
株探ニュース