【投資部門別売買動向】海外勢が3週連続で高水準に売り越す一方、個人は3週連続で買い向かう (7月第5週)

市況
2024年8月8日 20時00分

●海外勢が3週連続で高水準に売り越す一方、個人は3週連続で買い向かう

東証が8日に発表した7月第5週(7月29日~8月2日)の投資部門別売買動向(現物)によると、植田日銀総裁のタカ派発言や急速な円高進行が嫌気され、日経平均株価が前週末比1757円安の3万5909円と3週連続で急落したこの週は、海外投資家が3週連続で売り越した。売越額は5524億円と前週の5659億円に続いて高水準だった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向でも日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で3週連続の売り越しとなった。売越額は5105億円と前週の1兆42億円から縮小した。現物と先物の合算でも3週連続で売り越し、売越額は1兆629億円と前週の1兆5701億円から大きく減少した。3週間合計の売越額は3兆4560億円に上る。証券会社の自己売買は4週連続で売り越し、売越額は4441億円と前週の2592億円から拡大した。

一方、個人投資家は3週連続で買い越し、買越額は4817億円と前週の5050億円から若干縮小した。相場急落が続く中、逆張り志向の強い個人の高水準な買い越しが続いた。投資信託は2週連続で買い越し、買越額は3021億円だった。自社株買いが中心とみられる事業法人は5週連続で買い越し、買越額は1463億円だった。

日経平均が3週連続で急落する中、海外投資家が3週連続で高水準に売り越す一方、個人投資家は3週連続で買い向かった格好だ。

■投資部門別売買代金差額 (7月29日~8月2日)

東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

7月 ―――

第5週    ▲5,524    239   4,817 [  3,143  1,673 ] 35,909円 ( -1757 円)

第4週    ▲5,659    256   5,050 [  2,753  2,297 ] 37,667円 ( -2396 円)

第3週    ▲2,459   ▲257   2,512 [   ▲6  2,518 ] 40,063円 ( -1126 円)

第2週     1,288   ▲733   ▲773 [ ▲2,763  1,989 ] 41,190円 ( +278 円)

第1週     1,836    518  ▲4,966 [ ▲5,110   143 ] 40,912円 ( +1329 円)

6月 ―――

第4週     1,239    15  ▲4,885 [ ▲3,839 ▲1,046 ] 39,583円 ( +986 円)

第3週     ▲213  ▲1,914   1,899 [   358  1,541 ] 38,596円 ( -218 円)

第2週    ▲2,494   1,562    853 [  ▲231  1,085 ] 38,814円 ( +130 円)

第1週    ▲1,986  ▲1,304   2,861 [   354  2,507 ] 38,683円 ( +196 円)

5月 ―――

第5週    ▲1,126  ▲1,676   ▲887 [ ▲1,394   506 ] 38,487円 ( -158 円)

第4週    ▲1,139   ▲145    816 [  ▲711  1,527 ] 38,646円 ( -141 円)

第3週      383    472  ▲1,204 [ ▲1,964   759 ] 38,787円 ( +558 円)

第2週     2,636    89   ▲406 [ ▲1,121   714 ] 38,229円 (  -6 円)

第1週     1,745    247  ▲2,741 [ ▲2,537  ▲203 ] 38,236円 ( +301 円)

4月 ―――

第4週     2,159   1,666  ▲1,873 [ ▲1,468  ▲405 ] 37,934円 ( +866 円)

第3週    ▲5,924   ▲52   9,085 [  4,507  4,578 ] 37,068円 ( -2455 円)

第2週     5,955    366  ▲2,053 [ ▲2,669   615 ] 39,523円 ( +531 円)

第1週    11,821  ▲7,887   6,347 [  2,057  4,290 ] 38,992円 ( -1377 円)

3月 ―――

第4週    ▲2,126  ▲5,555   4,438 [  2,823  1,614 ] 40,369円 ( -518 円)

第3週      960   ▲722  ▲8,726 [ ▲6,993 ▲1,733 ] 40,888円 ( +2180 円)

第2週     ▲875  ▲6,851   4,942 [  2,364  2,577 ] 38,707円 ( -981 円)

第1週     1,763  ▲6,865   3,274 [  ▲513  3,787 ] 39,688円 ( -221 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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