システムズD Research Memo(8):2025年3月期は増収減益見込み
■今後の見通し
1. 2025年3月期の業績見通し
システムズ・デザイン<3766>の2025年3月期の連結業績は、売上高10,000百万円(前期比5.7%増)、営業利益412百万円(同21.3%減)、経常利益422百万円(同24.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益241百万円(同29.3%減)と増収減益を見込む。
システム開発事業は、社会・企業のDXが急速に進むなかでレガシーシステムのリプレースや周辺システム開発の需要は底堅く、ローコード開発ツール・Salesforce・SAP・クラウド等を活用したソリューション提案は好調に推移すると思われる。物流、自動車、医療、流通、社会・公共インフラ等同社がロイヤルカスタマーを抱える業種別に蓄積してきたノウハウを活かしながら、さらに顧客や事業領域を広げていく考えだ。そのためには、自社のみならず他社のノウハウを生かしたサービスの提案も不可欠である。新たに資本業務提携したマルティスープの持つ位置・空間情報技術も、同社グループの物流システム等の開発に生かしてシナジー効果を発現させる考えだ。アウトソーシング事業においては、パソコンのキッティングやヘルプデスク等、ITアウトソーシングをターゲットにオンサイトビジネスを強化するとともに、低収益ビジネスを見直し、新たなビジネスモデルへの変革を進めていく。本社移転に伴い、代田橋のファシリティセンターは他のセンターに統合する予定だ。また、グループ間や事業間の連携強化により、アウトソーシング事業のDXを提案する等、よりシームレスなワンストップサービスの営業活動や事業活動を推進する。損益面では本社の移転、給与アップ、教育研修の拡充等の人的資本投資やSBT認定取得※等SDGsの推進に向けた投資等、サステナビリティ関連の各種取り組みに注力するため減益を見込む。本社の移転にかかる費用は55百万円(うち特別損失14百万円)を計画に織り込んでいる。
※パリ協定が求める世界の気温上昇を抑制するために企業が算出・設定したCO2排出量削減目標であるSBT(Science Based Targets)を認定する機関SBTi(世界自然保護基金(WWF)、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、国連グローバル・コンタクト(UNGC)による共同イニシアティブ)に対してコミットメントレターを提出し、2年以内に認定を取得することを表明した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
《HN》