アクセル Research Memo(6):無借金経営、手元キャッシュも豊富で財務内容は良好
■アクセル<6730>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2024年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,691百万円増加の15,574百万円となった。流動資産では現金及び預金が1,193百万円減少した一方で、在庫が1,695百万円、有価証券が300百万円それぞれ増加した。固定資産ではセルシスとの資本業務提携に基づく株式取得等により投資有価証券が833百万円増加した。
負債合計は前期末比495百万円増加の2,682百万円となった。主に未払法人税等が340百万円増加した。また、純資産合計は同1,196百万円増加の12,891百万円となった。配当金支出が848百万円あった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,771百万円を計上し、利益剰余金が923百万円増加した。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は引き続き80%以上を維持しており、無借金経営で現金及び預金と有価証券合わせて98億円と潤沢なキャッシュを有していることから、財務の健全性は極めて高いと判断される。一方で、収益性に関しても売上高営業利益率で13.8%、ROEで14.5%、ROAで16.6%とそれぞれ5期連続で上昇するなど収益性も向上した。今後の課題は先行投資が続いている新規事業関連の収益化となるが、M&A・アライアンス戦略を積極的に推進しながら早期の収益化実現を目指す考えだ。M&Aの対象としては、顧客基盤を持っているが、AI技術に課題を持つSierやアプリ開発会社などが候補として挙げられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》