個人投資家、8月初めの混乱期に押し目を拾っていたとの指摘=米国株
米株式市場はインフレ鈍化とソフトランディングへの期待から、買い戻しが膨らんでいる。ダウ平均も4万ドルを回復し、今月初旬の急落を大方取り戻している。
今月の米株式市場は波乱の展開となったが、個人投資家はIT・ハイテク株中心に押し目を積極的に拾っていたようだとの指摘が出ている。8月最初の5営業日のウォール街は先行きに神経質になったが、個人投資家は強気だったようだ。
バンダ・リサーチ社によると、個人投資家は8月初旬の混乱期を通じて積極的に買いを入れていたと指摘。第2四半期はやや控えめだったが、8月初旬の動きはそれを覆すものだった。7月からの下半期に入ると、個人投資家は通常、動きが鈍くなることが多い。しかし、今回は違っていたという。
個人投資家は何を買っていたのか。同リサーチによると、個人投資家が好むETFよりも個別銘柄を買う傾向が強かったと述べている。特にIT・ハイテク株の個別銘柄への買いが活発で、エヌビディア<NVDA>をはじめとする半導体株は個人投資家の恩恵を受けたとしている。
一方、個人投資家の人気のSPDR・S&P500ETFトラスト<SPY>の動きはやや鈍かった。8月上旬に若干の上昇が見られたものの、個人投資家による購入額は過去2年間の平均を大幅に下回る水準に留まっていたという。
また、興味深いことに、その間に個人投資家が買い始めたETFの1つがiシェアーズ20年超債ETF<TLT>だ。FRBの利下げ開始前に長期債へのエクスポージャーを増やすことで、高い利回りを確保することを望んでいたのかもしれないと述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース