パロアルトが決算受け上昇 予想を上回る1株利益の見通しを示す=米国株個別
(NY時間09:41)(日本時間22:41)
パロアルト<PANW> 363.80(+20.44 +5.95%)
サイバーセキュリティのパロアルト・ネットワークス<PANW>が上昇。前日引け後に5-7月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。サブスクが好調に推移した。ガイダンスも公表し、予想を上回る1株利益の見通しを示している。同社はまた追加で5億ドルの自社株買いも承認。承認総額は10億ドルとなった。
同社は販売戦略の刷新を試みたが、その成功は限定的であった。ただ、戦略転換にもかかわらず、予想を上回る売上増を達成している。
市場は、先月発生したクラウドストライク<CRWD>の欠陥アップデートによる大規模障害におけるサイバーセキュリティ市場への影響を注視している。それについてアローラCEOは「サイバーセキュリティが経営陣の議題に上がった。われわれは、クラウドストライクとは根本的に異なる方法で独自のアップデートを作成している」と述べた。障害発生以来顧客からは、同社がどのようにアップデートを展開しているかという問い合わせが寄せられているという。
なお、ゴレチャCFOは今後、ビリング(未収請求を考慮した売上高)のガイダンスを発表しないと述べた。これは5月にそれがアナリスト予想を下回り投資家を失望させた後にアローラCEOが、ビリングが人為的な指標であると主張したことを受けたもの。その代わりに今後、製品の一部に関する年ベース経常収益(ARR)と残存履行義務のガイダンスを発表する予定だという。
アナリストは「将来的には複数の製品サイクル、AIの追い風、柔和な競争環境が25年3月期までの同社の売上高の伸び加速を促進するだろう」と評価している。目標株価は390ドル。
(5-7月・第4四半期)
・1株利益(調整後):1.51ドル(予想:1.41ドル)
・売上高:21.9億ドル 12%増(予想:21.6億ドル)
・製品:4.80億ドル 5.3%減(予想:4.94億ドル)
・サブスク・サポート:17.1億ドル 18%増(予想:16.7億ドル)
・前受金:55.4億ドル 19%増(予想:56.4億ドル)
・残存履行義務:127億ドル 20%増(予想:126.9億ドル)
(8-10月・第1四半期見通し)
・1株利益(調整後):1.47~1.49ドル(予想:1.43ドル)
・売上高:21.0~21.3億ドル(予想:21.1億ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):6.18~6.31ドル(予想:6.22ドル)
・売上高:91.0~91.5億ドル(予想:91.1億ドル)
【企業概要】
企業・サービスプロバイダー・政府機関向けに、顧客企業のユーザー・ネットワーク・クラウド等を保護する包括的なサイバーセキュリティサービスを提供する。次世代ファイアウォールによるネットワークセキュリティ、包括的クラウドセキュリティのPrisma Cloudなど、ゼロトラストソリューションを手掛ける。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース