個人投資家によるヘッジファンドが好む銘柄の購入はリスク
米大手証券のストラテジストによると、個人投資家がヘッジファンドが好む銘柄を購入することは、高評価と高変動のリスクにより、問題を引き起こす可能性があると警告している。
運用資産に基づく最大規模のヘッジファンド70社を調査し、最新の米証券取引委員会(SEC)への提出書類に基づき、それらのヘッジファンドが所有する公開フロートの割合が最も高いラッセル1000銘柄を特定した。公開フロートは発行済み株式のうち市場で取引可能な時価総額。
同ストラテジストらは「取引が特定の戦略に集中し、過密状態の時は限界投資家の参入が難しくなるため、過大評価やボラティリティ増大というリスクが伴う。一方、そのような銘柄を避け、強固なファンダメンタルズ分析と組み合わせることで、投資家は認識されていない価値を獲得する機会を得ることができる」という。
レンタカーのエイビス・バジェット<CAR>は浮動株の半分以上をプロのトレーダーが所有しており、ヘッジファンドの間で最も人気のある銘柄であった。航空宇宙・防衛のロアー<LOAR>、不動産開発・管理のハワード・ヒューズ<HHC>なども人気のある銘柄リストに含まれていた。また、ジャナス・ヘンダーソン<JHG>、ニューヨーク・タイムズ<NYT>、プラネット・フィットネス<PLNT>、ウェイフェア<W>も前四半期にヘッジファンドの間で人気のあった銘柄であった。
ストラテジストらは、過密状態の銘柄の取引はあくまで相対的なもので、アイデアを生み出す出発点に過ぎないという。投資家は意思決定を行う際には追加調査を行うべきだと付け加えている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース