Macbee Planet:成果報酬型インターネット広告のトップランナー
Macbee Planet<7095>は、LTV(Life Time Value)予測を強みにマーケティング支援を展開している。
LTVマーケティングとは、ユーザーの利用金額・継続期間を最大化し、広告費用効果を最適化するためにデータを駆使したデジタルマーケティングである。現状のインターネット広告は、顧客にならないターゲットにも配信されているため、デジタル広告予算の約40%が誤ったオーディエンスに浪費されておりROIの向上余地は大きくなっている。同社は、これらの無駄を最大限排除して成果に応じた費用で済むように、優良なオーディエンスを広告主の企業に送客することで成果報酬型(単価×成果発生件数)の収益を得ている。顧客層は、ファイナンス系の証券や生保、ウェルネス領域の医療が中心で、2024年4月期の売上全体における売上高上位20社が占める割合は70%程度となっている。
24年4月期の売上高は前期比2.0倍の39,405百万円、営業利益は同69.7%増の3,670百万円で着地した。All Adsの完全子会社化とMAVELの成長により業績が急拡大。顧客当たりの年間売上高は、上位20社年間売上単価が5.23億円(同66.0%増)、新規契約顧客年間売上単価が0.7億円(同22.8%増)、コンサルタント1人当たり売上総利益は9400万円(同8.0%増)と生産性は向上している。25年4月期の売上高は同21.8%増の48,000百万円、営業利益は同22.6~36.2%増の4,500~5,000百万円を見込む。LTVマーケティング市場拡大に伴う大幅な増収増益を見込むが、PR関連投資に最大5億円の投下を予定しているため、一部レンジ形式で開示されている。
同社は、中期的に売上・利益ともに年間20-30%成長を目指している。中期的な重点施策は、PRと獲得の融合によるマーケティングの最大化、インターネット広告の次世代化による市場の転換、M&Aによる非連続的な成長によって拡大していく。また、インターネット広告の市場規模はすでにマス広告を超えて広告の主流となっているが、今後はLTVマーケティング拡大とともに成果報酬型の拡大が進むと想定している。2030年に計10兆円となる広告市場のうち10%(1兆円)が成果報酬型となる可能性がある。成果報酬型インターネット広告のトップランナーとして、業績の2ケタ成長が続いている同社の今後の動向に注目しておきたい。
《NH》