パラマウント、ブロンフマン氏の買収計画には大手ITとの提携案も含まれる=米国株個別
(NY時間09:44)(日本時間22:44)
パラマウント<PARA> 11.40(+0.04 +0.37%)
メディア業界の大物ブロンフマン氏が、パラマウント・グローバル<PARA>に提示した買収計画には、ストリーミングTV事業のてこ入れを目指してアマゾン<AMZN>あるいはアップル<AAPL>といった大手IT企業との提携案も含まれていると伝わった。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
ブロンフマン氏は先週、スカイダンス・メディア社がすでに合意した合併計画に対抗し、ぎりぎりのタイミングでパラマウントの経営権取得に向けて名乗りを上げた。ブロンフマン氏は、パラマウントが顧客獲得や広告販売の面で専門的なスキルを補強する必要があると考えている。
パラマウントのストリーミングTV事業は競合のネットフリックス<NFLX>やディズニー<DIS>に大きく後れを取っている。顧客のストリーミング志向が強まる中、視聴者だけではなく広告主離れも続いている。ブロンフマン氏は、パラマウントが持つ多彩なブランドの商品化に向けたライセンス業務で、同社をより高いレベルに引き上げることができる企業との提携も検討している。
ブロンフマン氏は先週、パラマウントの議決権株式を過半数保有するレッドストーン家の持ち株会社ナショナル・アミューズメンツ社の取得を含めた総額60億ドルの買収案を提示。関係者によれば、ブロンフマン氏は買収資金調達パッケージの最終合意に向けて引き続き調整を続けているが、投資家全員の合意は確保できているという。
パラマウントの取締役特別委員会は、ブロンフマン氏とエリソン氏の買収案のどちらが優れているかを28日に判断する見通し。ブロンフマン氏の案がより優れていると判断された場合、エリソン氏は9月5日の期限までに反論する猶予がある。
特に株式への反応は限定的で小幅高での推移。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース