個人主体の資金は流動性のある中小型株にシフト/オープニングコメント
27日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。26日の米国市場は、NYダウが65ドル高、ナスダックは152ポイント安だった。9月の利下げ期待を受けた買いが優勢となった。耐久財受注やダラス連銀製造業活動指数が予想を上回ったため、ソフトランディング期待からNYダウは史上最高値を更新。一方で、決算を控えたエヌビディアなど半導体株の一角には持ち高調整の動きがみられた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円安の38035円。円相場は1ドル144円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、小動きで始まりそうだ。米半導体株が弱い動きだったこともあり、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷になりそうだ。昨日は一時1ドル=143円台に振れた円高の影響から先物主導で売られた面もあるため、引き続き為替にらみの相場展開になりやすいだろう。一方で中東の地政学リスクに加えて、リビアが石油の生産と輸出の停止を明らかにしたことから、原油先物相場が上昇しており、エネルギー株への物色が意識されることになりそうだ。
エヌビディアの決算については、慎重な見通しを予想する向きもあり、米半導体株には売り仕掛け的な動きもあったと考えられる。国内の半導体株については足もとで調整がみられているため、織り込みは進んでいるだろう。短期的な売り仕掛けの動きが入りやすいと考えられるものの、エヌビディアの決算前にはニュートラルに戻しておきたいところであり、アク抜けを想定した押し目狙いの動きも意識されよう。
また、東証プライムの売買高は連日で13億株台と薄商いが続いている。インデックスに絡んだ商いも限られているなか、日経平均株価は狭いレンジでの推移になるだろう。一方で、昨日のグロース250指数は5%近い上昇でリバウンド基調が強まっている。7月18日の高値が射程に入ってきていることもあり、個人主体の資金は流動性のある中小型株にシフトしやすいと考えられる。
《AK》