システムサポート Research Memo(1):2024年6月期は売上高、営業利益とも前期比2ケタ増で過去最高を更新

特集
2024年9月6日 11時01分

■要約

システムサポート<4396>は、業界トップクラスの技術力を強みに各種クラウド基盤やERP、データベース等の導入・利用支援を中心に成長を続ける独立系IT企業である。本社は石川県だが事業活動の中心は東名阪で、北米にも子会社を置いている。データセンターサービスやクラウド(SaaS型)サービスで提供する自社プロダクトなどストック型ビジネスにも注力している。2025年1月よりさらなる成長を図るため、機動的かつ柔軟な意思決定を可能にするグループ運営体制を構築すべく、持株会社体制に移行する。

1. 2024年6月期の業績概要

2024年6月期の連結業績は、売上高が前期比14.3%増の22,029百万円、営業利益が同14.7%増の1,670百万円と2ケタ増収増益を達成し、過去最高業績を連続更新した。主力のクラウドインテグレーション事業の売上高が同35.7%増と高成長を継続し業績のけん引役となった。人的リソースの強化が順調に進んだこともあり、好採算のServiceNow※関連が同28.7%増となったほか、その他のクラウド基盤(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud等)移行・利用支援サービスもAI関連ソリューションやリセールの伸長により同39.4%増と大きく伸張した。そのほか、データセンター関連を中心としたアウトソーシング事業やプロダクト事業、海外事業も2ケタ増収と好調に推移した。

※ 米国ServiceNowが提供する、業務プロセスの標準化・自動化を行い、従業員・組織の生産性向上を支援するクラウドプラットフォーム。DXソリューションとして欧米だけでなく日本でもここ数年で急速に普及している。同社は日本企業として2015年にいち早くパートナー契約を締結し、国内でトップクラスの導入実績を持つ。

2. 2025年6月期の業績見通し

2025年6月期の連結業績は、売上高が前期比18.4%増の26,087百万円、営業利益が同26.6%増の2,115百万円となる見込みだ。引き続き旺盛な需要が続くクラウドインテグレーション事業がけん引することに変わりない。また、2024年7月に2件のM&Aを実行し、売上高で約10億円の増収要因となる。このうち、(株)コミュニケーション・プランニングはHRコンサルティングや地図・位置情報ソリューション、XRソリューションを展開している企業で、同社既存事業とのシナジー創出とサービスの拡充を目的に子会社化した。M&Aについては今後も成長戦略の1つとして位置付け、積極的に検討する方針だ。また、成長の源泉となる人材の採用・育成についても注力しており、従業員数はM&A効果もあって前期末比16%増を計画している。

3. 中期経営計画と配当方針

同社は、新たに3ヶ年の中期経営計画(2025年6月期?2027年6月期)を発表した。最終年度の業績目標は、売上高で31,709百万円、営業利益で2,798百万円とし、3年間の年平均成長率は売上高で12.9%、営業利益で18.8%を目指す。重点施策としてはこれまでと同様、「顧客・社会のDX推進の基盤となるサービスの拡充」「多様な人材の成長と活躍」「サステナビリティ経営の強化」に取り組んでいく。事業セグメント別ではクラウドインテグレーション事業で年率20%台の売上成長を計画していると見られるほか、アウトソーシング事業やプロダクト事業、海外事業なども順調な成長を見込んでいるようだ。なお、配当方針については新たに累進配当(原則、減配せず配当の維持または増配を行う)を2025年6月期より導入することを決定した。配当性向の目安としては30?35%の水準を維持すると見られ、2025年6月期の1株当たり配当金は前期比8.0円増の48.0円(配当性向34.4%)を予定しており、6期連続の増配となる。

■Key Points

・クラウドインテグレーション事業の高成長が続き、2024年6月期も連続2ケタ増収増益を達成

・2025年6月期も良好な受注環境に変化はなく、2ケタ増収増益が続く見通し

・今後3年間で年率12.9%増収、18.8%増益と高成長を目指すべく、2025年1月に持株会社体制へ移行

・配当方針として新たに累進配当の導入を決定、今後も連続増配を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

提供:フィスコ

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