ロジザード Research Memo(8):将来のさらなる業績拡大に向けて研究開発と人材へ先行投資を実施(1)
■ロジザード<4391>の中長期の成長戦略
1. 中期経営計画の概要
コロナ禍を経て事業環境と顧客ニーズが変化してきていることや、直近の業績動向を受け同社は、2024年8月に新たな中期経営計画(2025年6月期~2026年6月期)を発表した。前中計をローリング補正した格好だが、新中計においても基本方針に変わりはない。「時流製品×ハイタッチサービス」を基本戦略として業績の拡大と企業価値の向上に注力する。WMS市場では、自動化・省力化やOMOマーケティングに対するニーズが高まっている。そうしたなかで同社は、「BtoBに広がるWMSニーズ」、「労働力不足を補う自動化トレンド」、「進む店舗のスマート化とオンラインとの融合」を優先的に対応する時流と定めている。将来的に高まることが想定されるニーズに対応できるサービスと体制の構築に向けて、研究開発及び製品開発、加えて人材採用・育成に先行投資していく構えだ。なお、ここで言う「ハイタッチ」とは、「事業活動において、同社の社員が顧客と積極的に関わり、顧客に価値を提供していく」という意味だ。営業人員や開発人員が顧客とコミュニケーションをとりながら、顧客のビジネスをサポートしていく。ハイタッチサービスの実現に向けては、1) 受注納品と製品開発が同時に可能な体制づくり、2) サポート体制の拡張ケア、3) 増加する社員の初期教育の体系化とスケジューリング、4) 社員が安心して業務できる制度づくりを推進していく。
業績目標に関しては、2024年6月期もクラウドサービスの業績が好調だったことを受け上方修正を行った。最終年度の2026年6月期にクラウドサービスの売上高を1,896百万円(2024年6月期比21.2%増、前回公表値から21百万円増)、経常利益を493百万円(同42.5%増、同59百万円増)に拡大させることを目指す。また、体制強化のための人員採用に関しては、2027年6月期までに157名に増員する計画だ。外部環境の変化を反映した中計の方向性が妥当なことや、クラウドサービスは高収益かつ安定した収益基盤であること、BtoB案件が増加するなかで単価の上昇も期待できることなどから、利益目標の上振れ着地も期待できると弊社は推察する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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