ユーロ週間見通し:下げ渋りか、日欧金利差縮小を意識もドル・円に追随
■強含み、米国経済の減速を警戒してユーロ売り縮小
今週のユーロ・ドルは強含み。来年にかけてドイツ経済の一段の減速が懸念されており、一時1.1026ドルまでユーロ安米ドル高に振れる場面があった。ただ、米国経済の減速を警戒して大幅利下げ観測が再浮上し、週後半はリスク回避のユーロ売り・米ドル買いは縮小した。取引レンジ:1.1026ドル-1.1155ドル。
■もみ合いか、欧米中銀の利下げにらみ方向感欠く展開
来週のユーロ・ドルはもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)は9月12日開催の理事会で追加利下げに踏み切る可能性が高い。声明で追加利下げの必要性について言及した場合、ユーロ売りが強まる可能性があろう。ただし、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの公算が大きいため、リスク回避のユーロ売り・米ドル買いが拡大する可能性は低いとみられる。
予想レンジ:1.0950ドル-1.1250ドル
■下落、日米株安を受けてリスク回避の円買い拡大
今週のユーロ・円は下落。米国経済の減速懸念が強まり、日米の主要株価指数は下落したことからリスク回避の米ドル売り・円買いが拡大した。原油先物の下落も円買い材料となった。この影響でユーロ・円の取引でも円買いが強まり、一時157円台半ば近辺までユーロ安円高が進行した。取引レンジ:157円47銭-162円89銭。
■下げ渋りか、日欧金利差縮小を意識もドル・円に追随
来週のユーロ・円は下げ渋りか。ユーロ圏経済の不透明感は払拭されておらず、9月12日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で追加利下げが決定される可能性が高い。ただ、連続利下げの思惑が後退した場合、ユーロ売りは縮小する可能性がある。一方、日本銀行は今月19-20日開催の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決める見通しだが、金融正常化には前向きのためリスク選好的な円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。
○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日(木):欧州中央銀行(ECB)理事会が政策金利発表
予想レンジ:156円00銭-159円00銭
《FA》