明日の株式相場に向けて=「円高」と「株安」の共鳴局面はどこまで続くか
11日の東京株式市場は前日に比べ一時900円あまり下落。結局、終値は539円安の3万5619円だったが、日経平均株価は7日続落した。
日銀の中川順子審議委員が講演で追加利上げに前向きな姿勢を示したことから、為替市場で円高が進行。午後には一時1ドル=140円70銭前後まで円高が進んだ。また、日本時間の11日午前10時から開催された米大統領選のテレビ討論会では、民主党のハリス氏が共和党のトランプ氏に勝利したとの見方が強まった。同討論会を経て、海外短期筋が株や為替に投機的な売買を膨らませたとの観測も出ていた。
当面の焦点は「円高」に共鳴する格好で進行する「株安」がどこで下げ止まるかだ。震源となっている為替に関しては注目イベントが多く、「近く140円割れの可能性もあり得る」(市場関係者)との見方は少なくない。まずは、今晩の米8月消費者物価指数(CPI)が大きなポイントとなる。米国では「いまは雇用情勢に対する関心が高くCPIに対する注目度は一時に比べやや落ちている」(同)ともいわれるが、やはり目は離せない。更に、来週は17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、19~20日に日銀金融政策決定会合がある。為替市場ではドル安・円高の基調が勢いづくなか、今後一段と円高が進むことは起こり得る。
更に、今日の米大統領選のテレビ討論会でハリス氏が勝利したとの見方が優勢となった意味は大きい。「トランプ氏の支持層は強く、米大統領選の結果はまだ分からない」(アナリスト)とみられるが、相場は今後一段とハリス氏勝利を織り込んでいくことも考えられる。
米8月CPI以外では、今晩は米国で10年債の入札が予定されている。明日は国内では7~9月期法人企業景気予測調査、8月国内企業物価指数、8月都心オフィス空室率が発表される。自民党総裁選が告示される。海外では、米8月卸売物価指数(PPI)が発表される。欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。