米CPI、物価安定も依然重要な検討事項
先ほど発表の8月の米消費者物価指数(CPI)を受けて市場は株安・ドル高の反応が見られている。米国債利回りも上昇。コア指数の前月比が0.3%の上昇と予想外に高かったことでFRBの利下げ期待が後退している。来週のFOMCについては、一部にあった大幅利下げへの期待が完全に後退している。来週は0.25%ポイントの利下げが市場のコンセンサスを確定させそうだ。
足元の弱含みの雇用指標を受けてFRBの焦点は2大責務のうち最大雇用へとシフトしているが、本日の米CPIからは、物価安定も依然重要な検討事項からは消えないとの指摘も出ている。「今回の米CPIは来週のFOMCでの利下げ開始を妨げるものではないが、向こう数四半期における金融政策の道筋を巡る議論を再構成する可能性がある」という。
FRBは利下げペースを急ぐ必要はなく、今後インフレが従来想定されていた以上に根強いことを示す追加の兆候が出てくれば、利下げサイクルはより緩やかで小幅になる可能性が高いとしている。これは2025年末までに計2.50%ポイント余りの利下げを織り込んでいた市場にとっては失望を招く展開だろうとも付け加えた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美