ADワークスグループ Research Memo(5):自己資本比率30%を目安に財務の健全性を維持する方針
■ADワークスグループ<2982>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2024年12月期第2四半期末の財務状況は、資産合計が前期末比5,710百万円増加の64,565百万円となった。現金及び預金が198百万円減少した一方で、収益不動産残高が5,566百万円増加した。
負債合計は同4,414百万円増加の46,102百万円となった。クラウドファンディング等預り金が918百万円減少した一方で、不動産物件取得を目的とした借入金の積み増しにより有利子負債が5,755百万円増加した。クラウドファンディングは不動産物件取得のための資金調達手段の一つとして適宜活用しており、第2四半期末の残高は1,338百万円となっている。純資産合計は同1,295百万円増加した。利益剰余金が694百万円増加したほか、円安進行に伴い為替換算調整勘定が540百万円増加した。
経営指標は、有利子負債の増加に伴い有利子負債比率が前期末の203.5%から220.4%に上昇し、自己資本比率が同29.1%から28.5%と若干低下した。同社は借入金等を活用しながら収益不動産の仕入れを積極的に進め、結果として収益の拡大とROEの向上、並びにWACCを上回るROICを維持することで企業価値の向上を目指している。一方で、経営の安全性を確保するという観点から、自己資本比率30%を目安に有利子負債の水準をコントロールする方針を示している。2024年12月期末に向けては手持ち物件の売却により獲得した資金で有利子負債を返済し、自己資本比率の改善を図るものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《HN》